抜歯を済ませて、ほっとするのもつかの間。歯を抜くということは、傷が出来たことになります。その後も血の味はするし、気になっていつものように食べられないし、まだ暫くは落ち着かない日が続くかもしれません。

少しでも早く傷口が塞がり治ってくれるように、日常生活の中でも気を付けた方が良いことがあります。
今回はそんな抜歯後のポイントについてご紹介していきます。

目次

抜歯した日の注意点

抜歯をした場合、歯科医院でも注意事項をお話しされるでしょう。
ここでは、傷口がスムーズに治ってくれるようにする為、抜歯をした当日にしてはいけない事や、注意点についてお伝えしていきます。

1.うがいはあまりしないように

頻繁にうがいをしたり、激しくうがいをしたりしないようにしましょう。

血が固まらずなかなかかさぶたが出来なかったり、せっかく出来たかさぶたを剥がしてしまったりして、治りが悪くなったり、痛みの原因(ドライソケット)となったりします。歯磨きの際も、患部には当てないよう気を付けましょう。

2.患部を舌などで触らない

抜歯後は歯が生えていた部分に穴が開いていますので、気になったり、食べ物が入ってしまわないか心配になったりする方も少なくないでしょう。しかし、舌や指などで触ってはいけません。

治りが遅くなったり、バイ菌が感染してしまうかもしれません。出来るだけ触らないように心がけましょう。

3.入浴、激しい運動、飲酒を控える

体が温まり血行が良くなると再出血しやすくなります
抜歯当日の入浴は、軽いシャワー程度にして、湯船に浸かることは控えて下さい。

同様の理由で、激しい運動やアルコールの摂取もやめましょう。抜歯当日は、予定を入れずに安静に過ごすようにした方が無難かもしれません。

4.喫煙しない

タバコに含まれるタールやニコチンなどの有害物質は、血行を悪くするため、酸素や栄養が行き届きにくくなり、傷の治りを遅くします。治療に悪影響ですので、やめておきましょう。

5.抗生物質を飲んでいる間は氷で冷やさない

抜歯後に腫れが出た場合、冷やしたくなるかもしれませんが、自己流で行うのは要注意です。
もし冷やすのであれば、氷などキンキンに冷えたものは使わないようにして下さい。血行が悪くなり、かえって治りを遅くしてしまう恐れがあります。濡れタオル程度であれば大丈夫です。

6.食事は麻酔が切れてから

抜歯後1~2時間は麻酔が効いた状態が続きますので、気付かないうちに舌や頬を噛んでしまったり、やけどをしたりする可能性があります。
出血が止まっていれば、抜歯していない反対側の歯で気を付けて食べて頂いても構いませんが、麻酔が切れてからの方が無難でしょう。

また、抜歯後は出血が気になったり痛みがあったりと、食欲が落ちてしまうでしょうが、きちんと栄養を摂らないと傷の治りも遅くなります。
極端に刺激の強い辛い物や熱い物、消化の悪い物などを避け、抜歯していない反対側の歯で、ゆっくりと食べてください。

7.処方された薬は飲みきる

基本的に、感染予防のための化膿止め(抗生物質)と痛み止め(鎮痛剤)が処方されます。特に、抗生物質は決められた量を決められた時間にきちんと服用するようにしましょう。
途中で飲むのをやめてしまったり、忘れてしまったりすると効き目がなくなる可能性があります。

まとめ

少しでも早く傷口を治すためには、以上のように気を付けるべきことがあります。
とはいえ気にしすぎも良くありませんので、出来るだけ無理はせず、体が回復しやすい環境を作ってあげることが大切です。

翌日くらいまでは、唾液に少し血がにじむ感じがあるかもしれませんが、正常なことなので心配はいりません。もし、血がダラダラと出て止まらなかったり、痛みが強く何日も続くなどおかしいなと思うような場合には、早めにかかりつけの歯科医院に連絡して相談してみて下さい。