「成長曲線」をご存知ですか?母子手帳の後の方にも載っているので、見たことがある方は多いかもしれません。母子手帳に記入ができるのは6歳までですが、それ以降も年齢に対応した成長曲線があります。

成長曲線からはいろいろなことが分かります。ここでは、成長曲線から分かることや、成長曲線の活用法などについて解説します。

目次

成長曲線は、身長と体重の標準を示したもの

まずは、成長曲線とは何か解説していきます。

成長曲線といった場合、一般的には身長と体重についての成長曲線のことをいいます。

この曲線は身長と体重の標準の目安を示すもので、2000年の乳幼児身体発育調査報告書(0~6歳/厚生労働省)と学校保健統計報告書(6~17歳/文部科学省)のデータをもとにして作成されたものです。

成長曲線には2種類ある

医療現場では、身長や体重の評価のために以前から成長曲線を用いていました。

2016年からは、学校でも身長・体重の評価のために成長曲線が用いられるようになりました。

しかしここで注意しなければならないのは、医療現場で使う成長曲線と学校で使う成長曲線は異なるものだということです。

医療現場で用いる成長曲線

医療現場では、SD(標準偏差)で記載されたものを使用しています。

SD(標準偏差)はばらつきの大きさを表す指標で、2SD~-2SDを正常と判断します。

学校で用いる成長曲線

一方、学校ではパーセンタイルで記載されたものを使用しています。

パーセンタイルとは、数値を小さい順に並べた時に、初めから数えて全体の何%に位置するかを表したものです。

学校で用いられる成長曲線には、3, 10, 25, 50, 75, 90, 97と書かれている線があります。

3パーセントタイルは100人の中で小さい方から3番目50パーセントタイルは100人の中で小さい方から50番目の身長・体重の増加を示しています。

学校で用いる成長曲線では、3~97パーセントタイルを正常と判断します。

成長曲線は、どちらを用いてもOK

2種類の成長曲線を比べてみると、3パーセントタイルは-1.88SDに、10パーセントタイルは-1.28SDに、90パーセントタイルは1.28SDに、97パーセントタイルは+1.88SDに相当します。

0あるいは50パーセントタイルの線が集団の真ん中であることを示す線になります。

大きな成長の変化を確認する上では、どちらの成長曲線を用いても問題ありません。

成長曲線の書き方・見方・活用法

娘と遊ぶ父親

成長曲線を書いてみよう

成長曲線の書き方は難しくありません。

横軸が年齢、縦軸が身長あるいは体重となっているので、測定した時の年齢と測定した身長・体重が交わるところに点をつけます。

定期的に測定し、折れ線グラフのように変化を見ていきます。

成長曲線はどう見ていく?

お子さんの成長には、当然ですが個人差があります。

ただ、それでもある程度の目安はあります。年齢に応じた身長・体重の目安があるだけではなく、成長の速度にも目安があるのです。

成長曲線では その年齢での身長・体重が適正であるかどうかだけではなく、成長の速度も確認することができます。

成長曲線を見ると、成長の速度も含め、その時点までの身長・体重の成長が適正かどうかを一目で判断することができます。

成長曲線から分かること

成長曲線で大事なのは、1つ1つの点(数値)ではありません。

3パーセントタイルあるいは-2SDより下回っていても、97パーセントタイルあるいは+2SDを上回っていても、それ自体が問題というわけではありません。

正常範囲を下回っていたり上回っていたりしても、成長の速度が適正であれば、基本的には問題とならないのです。体質や遺伝的な要素が関与しているものと考えられています。

成長の速度は曲線のカーブで見ます。それぞれの数値をつなぐと多少デコボコするかもしれませんが、全体的に曲線のカーブに沿うように成長していれば問題ないと考えてください。

もしも異常がみられたら?

成長の速度が速すぎる場合や遅すぎる場合には、何らかの病気の可能性があります。下記のような場合には注意が必要です。

  • 徐々に曲線のカーブから離れていく(離れている距離が少しずつ大きくなる)場合
  • 曲線がある時点から水平に近い線になる場合
  • 今まで沿っていた線を大きく超えて変化する(今まで沿っていた線より上にある線をどんどん超えていく)場合
  • 身長と体重の増加速度やバランスがかけ離れていく場合

身長では、成長ホルモンや甲状腺ホルモンの異常、心不全、脳腫瘍などによる成長異常が隠れている場合があります。

体重の場合も、身長の変化と比較することで肥満傾向にあるかどうか思春期やせ症(いわゆる拒食症)の傾向があるかなどが分かります。適正な体重の増加は右肩上がりで、右肩下がりになることはありません。また、身長も同様の経過があります。

もし何か気になることがある時には、1年に1回の健診の時だけではなく、3ヶ月あるいは半年毎に身長・体重を測定し、成長曲線をつけることをおすすめします。

経時的な変化を確認し、その子の成長曲線の形に不安がある時には小児科を受診して相談してください。

まとめ

成長曲線は、お子さんの身長や体重などの成長が適正かどうかを判断する上で非常に役立ちます。

ただし、ある時点の身長や体重が正常から外れていても、それだけで心配することはありません。その子の成長曲線が、元から書かれている曲線に沿うように変化していれば問題ありません。

そして曲線から大きく外れている場合、成長異常を起こす病気の早期発見の手がかりとなります。早期に見つけることで早期治療が可能となり、その後の成長・発達が改善する可能性があります。

お子さんの身長・体重が気になる時には数ヶ月毎に1回測定し、成長曲線をつけることをおすすめします。成長の変化を確認し、お子さんの成長曲線に不安がある時には小児科で相談してくださいね。