健康や美容のためにダイエットに取り組む人は多いですが、ダイエットをめぐる健康問題はさまざまなものがあります。健康になるために行うはずのダイエットが、手段や度合いによってはかえって健康を害するものになりかねません。

この記事では、危険なダイエットにはどのようなものがあるかについて解説し、それによっておこる健康リスクをまとめていきます。

目次

危険なダイエットとは?

それでは危険なダイエットの種類とリスクを説明していきます。

食べないダイエット

食事を極端に減らしたり、全く食べないといったダイエット法です。摂取カロリーが大幅に減るので、もちろん体重は減っていく可能性が高いです。しかし、体がエネルギー不足になるため、筋肉を分解してアミノ酸からエネルギーを作る現象が起こり代謝が落ちていくため、結果的には太りやすくなってしまいます。また、健康を維持するために必要な栄養素も不足しさまざまな症状をもたらします。

リスク

貧血や便秘、骨粗鬆症、栄養失調、知覚異常、低体温、月経不順、無月経など

単品ダイエット

トマトしか食べない、りんごしか食べないといったダイエットや、〇〇ダイエットといった、同じものばかりを食べるダイエット法です。栄養素をエネルギーに変える代謝には、さまざまな栄養素や酵素が関わっています。同じ食品を食べ続けることで栄養バランスが偏り、必要な栄養素が不足することがあります。

リスク

貧血や便秘、骨粗鬆症、栄養失調、知覚異常、低体温、月経不順、無月経など

サプリメントを使ったダイエット

脂肪燃焼成分が入っている、脂肪や糖の吸収を抑えるといったダイエットサプリメントが多く存在しています。ダイエットに取り組んでいる人は、効果を期待しすぎて過剰に摂取しがちです。サプリメントは栄養素が凝縮しているものなので作用が強く出すぎてしまうこともあります。誇張表現や過大広告には気を付けましょう。

リスク

過剰摂取による副作用、肝障害など

下剤を使ったダイエット

便秘はダイエットの敵ではありますが、自然な排便を待たずに下剤を使うことが習慣化すると排出機能が低下してしまったり、どんどん下剤の量が増えてしまったりすることがあります。

下剤を使ったダイエットは、精神疾患の1つとされる過食症と関連があります。代償行動と言って、過食をしてしまったときに自責の念に駆られ、嘔吐や下剤の乱用によって排出しようとしてしまうのです。過食症患者は、むちゃ食いと代償行動の悪循環から抜け出せなくなる前に、心身両面からの正しい治療を受けることが大切です。

リスク

排出機能の低下、下の量の加、過食行動など

全てに共通することとして短期間で大幅な減量をすると、かえって太りやすい体質になるという点が挙げられます。ゆっくりと時間をかけて、正しい知識と実践力を身に付けていく方が将来の健康のためになるといえるでしょう。

危険を伴う若い女性の無理なダイエット

ダイエット

痩せる必要がないのにダイエットするという状況は、若い女性に特に多く見られます。これは、食習慣の多様化テレビタレントからの影響が大きいと考えられています。

極端な痩せは、貧血からくるだるさ、10代では発育障害、さらには拒食症や過食症といった精神障害までにも発展することがあります。慢性的な摂食障害は無月経、低血圧、不整脈といった多くの健康障害も招き、日常生活に影響します。

さらに、若い女性にはこれから妊娠・出産という重大なイベントが控えており、子供の将来の健康にも影響する可能性や、そもそも妊娠しづらくなるといったリスクがあるので注意が必要です。

本当にダイエットは必要なのか?BMI値を計算してみよう

ダイエットとは食事の量を制限し、運動をして減量することです。自分にダイエットが必要かどうかというのは、まずは現在の自分の体重がどのレベルにあるのかを知る必要があります。

日本では自分の体型を知るためにBMI値というものが用いられます。自分の身長と体重からBMI値を算出し、表に当てはめてみましょう。

BMI= 体重(kg) / 身長(m) / 身長(m)

BMI 値 判定
18.5未満 痩せ
18.5〜25未満 標準
25以上 肥満

参照:日本肥満学会 肥満度分類 WHO基準を参考にいしゃまち編集部が作成

特に生活習慣病のリスクがなければ、痩せに分類される人は標準体型を目指し、標準に分類される人は現状維持に努めましょう。

まとめ

日本ではどうしても「痩せている方が美しい」と極端な考えになりがちです。確かに病気のリスクを伴う肥満は改善する必要がありますが、そうでなければ無理に取り組む必要はありません。行き過ぎたダイエットは体や心を壊してしまうこともあります。自分の体格を知り、ダイエットの必要があるのかどうかを知ることから始めましょう。