子供の腕を引っ張ったら、腕を痛がるようになってしまった…。友達と遊んでいると思ったら、腕をだらんと下げて動かさなくなっていた…。
子供が腕をかばうようにしていると、骨、筋肉や神経に異常が出てしまったのではないかと心配になりますよね。
子供が腕を下げたまま痛がって動かさないようなら、肘内障になってしまったのかもしれません。
今回の記事では、肘内障の症状や治療法について詳しく見ていきます。
肘内障(肘が抜ける)って何?
肘内障とは、肘の骨(橈骨頭)が靭帯(輪状靭帯)からはずれかかることによって起こります。深刻なケガではありませんが、激しい痛みを伴います。
肘が抜けると言うこともあります。子供の外傷としてめずらしくありません。特に2~3歳の子供に多く、5歳くらいまではよくみられます。それ以降は靭帯がしっかりしてくるため、小学校に入る頃にはあまり見られなくなります。
どんな症状が出る?
肘内障では
- 肘をやや曲げた状態で下げている
- 痛がって動かそうとしない
といった症状が見られます。
通常、腫れや出血はありません。腕を下げていると痛みが治まりますが、これは治ったわけではなく手を挙げようとするとまた痛みます。
飛び出そうとした子供を止めるために手を強く引いた時、転倒しそうになった子供の腕を引き上げた時、友達に引っ張られてしまった時など、痛がり始めた際に腕を強く引かれた状況があれば肘内障を疑います。
対処法は?自然に治ることはある?
肘内障は自然に治ることもありますが、ほとんどは治療しないと治りません。
また、早めに痛みを取る目的でも自然回復を待つのではなく、治療をした方が良いでしょう。
治療は、徒手整復(としゅせいふく)と言って、肘の関節を手のひらが上になるようにねじることで簡単に肘がはまります。麻酔は必要ないことが多く、痛みも一瞬でおさまりますので、お子さんはすぐに腕を動かせるようになります。
何度も肘内障を繰り返すことがありますが、肘内障になった場合には整形外科または、小児科に行くようにしてください。肘内障のように見えて、実は骨折や脱臼を起こしている場合もあるからです。自己判断で肘内障と決め、整復を試みるのは危険です。
治った後…再発しやすい時には
治った後、特に腕をかばう様子が見られなければ心配いりません。通常通り腕を動かして大丈夫です。
ただし、一度肘内障が起きたお子さんは再発しやすくなっているため注意が必要です。腕を強く引っ張らないように気を付けましょう。
また、10歳を過ぎても肘内障が見られるようなら、骨、腱や靭帯に原因があるかもしれませんので整形外科を受診してください。
まとめ
肘内障は子供にとってめずらしくない外傷です。
子供が腕の痛みを訴えると驚いてしまうかと思いますが、肘内障であれば整復により比較的簡単に治すことができます。
慌てずに、まずは整形外科もしくは小児科を受診しましょう。