スポーツのときだけでなく、パソコンや勉強などで肘を使うときにも「ズキズキ痛む」というような思いをしたことはないでしょうか?そんなスポーツマンのみならず、誰にでも起こりうるテニス肘について知っておきましょう。

目次

テニス肘とは?

そもそもテニス肘とはなんでしょうか。テニス肘は、正式には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」と言います。初心者や中年以降のテニス愛好家に生じやすいため、一般的には「テニス肘」として知られています。

しかし、テニス肘はプロ選手でもなるものですし、成長期の子供や、激しい運動をしている若者、さらには、テニスをやっている方だけでなく、重量物運搬など手を使う作業の多い方や、パソコンをよく使う方にもみられます

発症率で言えば、テニスが原因の人は約1割に過ぎず、重量物運搬などが原因の人が4割近くを占めたというデータがあります(Mindsより)。発症に男女差は明らかではないですが、中高年の主婦にやや多く見られるという報告があります。

テニス肘の症状

ものをつかんで持ち上げるような動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが生じます。多くの場合、安静時の痛みはありません。テニス肘の診断は比較的容易で、以下の3つの検査方法があります。いずれの検査でも肘外側から前腕にかけての痛みを感じたら、テニス肘と診断されます。

  • Thomsenテスト:誰かに自分の手首をささえてもらい、肘を伸ばしたままそれに抵抗して手首を背屈する。
  • Chairテスト:肘を伸ばしたまま手で椅子を持ち上げる。
  • 中指進展テスト:誰かに自分の中指を上から押さえておいてもらい、肘を伸ばしたままそれに抵抗して中指を上げる。

テニス肘の原因

テニスをする男性

一般的には、年齢とともに肘の腱が痛んで起こります。手首を伸ばす(背屈する)筋(短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)と長撓側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん))と指を伸ばす筋(総指伸筋)は肘の外側にある上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか)にくっついています。その筋がくっついている腱のところが小さな断裂を起こすことで、炎症が生じます。テニスなどのスポーツや、オフィス業務などで肘に負担のかかる動作を繰り返すことで、肘の腱にストレスが溜まり、発症するのです。

さらに、この小さな断裂を身体が修復しようとしている最中に腕を使い続けると、骨に対して筋肉や腱が引っ張られ、ストレスが繰り返し与えられることになります。すると、腱の微小な断裂の修復が追いつかず、隙間ができたり、石灰が溜まったりして、本来の正常な腱の組織とは異なる状態になります。こういう理由で、テニス肘は一度発症すると長期化することが多いのです

まとめ

いかがでしたか。「テニス肘はテニスをやっている中年層にだけに起こる」というイメージがあったかもしれませんが、普段からトレーニングを行っている若年層の方はもちろん、運動をしない人にも、誰にでも起こりうるものだということが分かったかと思います。テニス肘かな?と思ったときの対処法や予防法は、「「肘が痛い!」テニス肘の対処法と予防法とは?」で紹介しているので、「最近肘が軽く痛む」「ズキズキする」という方は合わせてご覧ください。