疲れたときのお役立ちアイテムとして、若者を中心にエナジードリンクが人気を集めています。エナジードリンクはカフェインなどの含有成分が多く配合されており、飲む量や組み合わせによっては成分の過剰摂取に繋がることもあります。ここではエナジードリンクを飲むときの注意点や健康リスクについてみていきます。
エナジードリンクとはどんなもの?
エナジードリンクは、疲労軽減、体力増強、運動パフォーマンスの向上、ダイエットなど、さまざまな場面で使われています。分類的には清涼飲料水ですが、嗜好的な部分を求めて飲むのではなく、何らかの効果を期待してとり入れられることが多いです。
エナジードリンクに添加されている成分
カフェイン、ガラナ、ビタミン、タウリン、グルクロノラクトンなど
エナジードリンクは医薬品ではなく食品なので、薬のような効果を期待するものではありません。しかし、ここまでエナジードリンク市場が活性されているのは、「飲んだら元気になる」、「眠気が覚める」というような心理的な部分で効果が実感されているせいなのかもしれません。
しかし、エナジードリンクを薬のように取り扱うのは体にとってリスクが高いので、効果には過剰に期待せずに正しいとり方をしていきましょう。
エナジードリンクの副作用は?
エナジードリンクをとりすぎてしまうとどうなってしまうのでしょうか。考えられている症状には次のようなものがあります。
めまい、心拍数の増加、血圧上昇、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気
この症状は、カフェインによる中枢神経系の刺激によるものです。エナジードリンクには多量のカフェインが含まれているものが多く、ドリンクの特性から短時間で多量のカフェインが体内に入ってしまうことが原因で起こります。
現在までエナジードリンクに含まれるカフェインによる症例は国内外で46症例が報告されており、20代の男性が特に多いようです(「健康食品」の安全性・有効性情報より)。2016年には日本でも20代の男性が死亡した症例があります。ただし、この例はエナジードリンク1本を飲んで起こったものではなく、日常的にエナジードリンクを常用していたことと、カフェイン錠剤を併用していたことによるカフェイン中毒です。カフェインは人によって感受性が異なりますので、自分にとっての許容量を把握しておく必要があります。
カフェイン摂取の注意点は?
日本では、カフェインの量についての明確な基準がありません。海外のものを参考にすると、カナダ保健省では健康な成人でカフェインを400mg/日までとしており、この量はコーヒーをマグカップ3杯分に値します。
また、妊娠中や授乳中のカフェインの摂取は、低出生体重児や子供の将来の健康リスクが高くなる可能性があると考えられています。カナダ保健省では妊婦や授乳中の女性は300mg/日まで、WHOでは1日のコーヒーの量を3〜4杯までとしており、世界の基準もさまざまです。
カフェインに対する感受性は個人差が大きく、国際的に見ても1日あたりの摂取許容量(ADI)は定められていません。しかし、だからといって多くとってもよいということにはならないので、基準を参考にして自分の体質を知りながらコントロールしていきましょう。
エナジードリンクには、1本あたり平均36〜150mgのカフェインが含まれています。多いものだと1日3本飲めば400mgを超えてしまいますので気をつけましょう。1〜2本だとしても、他にコーヒーや緑茶を飲んでいればカフェインの摂取量はどんどん増えてしまいます。飲み物を選ぶときにはカフェインの量を意識することが大切です。
エナジードリンクを飲むときの注意点
- 子供、妊婦、授乳婦、カフェインに敏感な人は飲むのを控えた方が良い
- 1日に何本も飲まない
- 他のカフェインを含んでいる製品と一緒にとらない
- カフェインと併用禁止の薬と一緒にとらない
また、アルコールとの併用は、アルコールによる覚醒、興奮、倦怠感抑制作用を上昇させて、アルコールのとりすぎにつながることがあります。エナジードリンクを飲むことでお酒が進む…という状態になりかねないので、併用は避けましょう。
まとめ
エナジードリンクはポジティブなイメージが大きいですが、とりかたを誤ると健康を害してしまう危険性があります。まずは飲みすぎないことと、お酒や薬と併用しないことを守り、必要以上に飲むことは避けましょう。