眠くてしょうがないけど、どうしても今この仕事をやらないといけないとかありますよね?
そんな時眠気を強い意志でなんとかできる人もいるでしょうが、大体は気づいたら寝ていた、という結果になりがちです。

そこで、コーヒーを飲んだり、眠気防止の薬を飲んだりするでしょう。
今回は、そんな眠気防止の薬について、正しい使い方と注意点をご紹介いたします。

目次

眠気防止薬の中身は?

ご存じの方も多いと思いますが、眠気防止薬の中身はカフェインです。
現代人は、眠気覚まし剤でなくても様々な所でカフェインを日常的に摂取している可能性があります。

例えば、ドリンク剤、かぜ薬、お茶、コーヒー、紅茶、烏龍茶などです。

カフェインは、中枢神経興奮作用により眠気や疲労感を取り除く効果があります。

つまり、血流を促して疲労を回復しやすい状態を作った上で、覚醒作用によって眠気や疲労感を抑え、スッキリさせる働きがあるということです。
ですから、本来の疲れや眠気は完全に取り除かれたわけではないということになります。

日常生活で口にする物にはどのくらいカフェインが含まれている?

コーヒー

ここでは、ドリンク剤や飲料などのカフェイン含有量の目安を紹介します。

緑茶や紅茶はコーヒーと同等あるいはそれ以上のカフェインを含みますが、飲み過ぎに注意が必要といわれるのはコーヒーです

お茶や紅茶にはタンニンが含まれているため、実際の含有量よりもかなり効果が抑えられていると考えられています。

  • ドリンク剤   10~100mg/本
  • 緑茶       20~200mg/杯
  • 紅茶       50~70mg/杯
  • コーヒー     30~40mg/杯
  • コーラ     35 mg/本

カフェイン摂取のメリットデメリットは?!

適量摂取のメリット

  • 眠気覚まし:カフェインは興奮剤の一種で、脳内の中枢神経に働き、眠気を抑え作業効率をアップします。
  • 頭痛の緩和:カフェインには一時的な血管収縮作用があり、頭痛薬を始め市販の鎮痛薬などにも用いられています。ただし摂り過ぎにより逆に頭痛を起こす可能性があります。
  • 筋肉疲労の回復:カフェインは血液の流れをよくし、筋肉の疲労物質の乳酸を体内に溜まりにくくする作用があります。これにより疲労から回復しやすいと言われています。

過剰摂取のデメリット

  • 胃痛の誘発:カフェインには胃液の分泌を促す働きがあり、胃もたれの原因になることがあります。そのため、空腹時のカフェイン摂取は避けた方がいいでしょう。
  • 貧血:カフェインには鉄分や亜鉛などミネラルの吸収を阻害する性質があります。貧血に悩む女性は特に、カフェインのとりすぎに注意しましょう。
  • 睡眠の質の低下:カフェインは興奮剤の一種であるため、カフェイン摂取後は眠りにつきにくく、睡眠の質が低下することがあります。寝る3時間前からの摂取は控えましょう。
  • 自律神経の乱れ:カフェインは中枢神経に働き、特に身体を活動させる神経に作用します。そのため、心拍数の増加や血圧の上昇が日常的に続く状態となり、体はつねに興奮状態になるので、自律神経のバランスを崩してしまい、だるさや気分の落ち込みなど身体症状となって現れます。

※カフェインは1回に500mg・1日1g以上取ると、胃部不快感、頭痛、動悸などを引き起こしたりします。

かぜ薬とドリンク剤やコーヒーなどにもカフェインは含まれており、特に眠気を覚ます目的でカフェイン剤を飲むときはコーヒーなどを飲んでいることも多いでしょう。

総量には注意が必要です。

適切な摂取量はあるのでしょうか?

日本では規制はないものの、海外では1日当たりの悪影響のない最大摂取量を設定している国があります。カフェインを含む食品の商品包装には、カフェイン含有量や注意喚起の記載がある商品もあります。

世界の基準を見てみると、最大摂取量は意外と少ないことがわかります。
それだけ、中毒になりやすいものともいえるでしょう。

以下の摂取量を参考にして、カフェインの過剰摂取には注意しましょう。

対象 1日あたりの
最大摂取量
機関名
成人 400mg 欧州食品安全機関、
カナダ保健省
妊婦 200mg 英国食品安全庁、
欧州食品安全機関
300mg カナダ保健省、
オーストラリア保健・食品安全局
子供 3mg/kg 欧州食品安全機関
2mg/kg カナダ保健省
4~6歳 45mg カナダ保健省
4~9歳 62.5mg カナダ保健省
10~12歳 85mg カナダ保健省

参照:神奈川県保健福祉局生活衛生部食品衛生課茅ヶ崎駐在事務所

カフェイン依存症チェック!

カフェインを摂取しないと、どうも眠い、だるいなど不調が現れる…それはカフェイン依存症の可能性もあります。

これは精神疾患の一つといえますが、自分の努力で克服することも可能です。
カフェインを摂取しない間に以下の症状が1つでも見られる場合は、少しずつカフェインの摂取量を減らしてみましょう。

  • 頭痛が起こる
  • からだがだるい
  • 頭がぼんやりする
  • 不安になったり気分が落ち込んだりする
  • 嘔吐が起こる
  • 集中力がなくなる
  • 眠気

カフェイン剤について

ここまでカフェインの摂取についての注意点、目安についてご紹介してきました。
過剰に摂取することが良くないと知っていただけたでしょうか。

ここからは、いくつかのカフェイン剤を紹介します。

名前 製薬会社 剤形 1錠あたりの無水カフェイン含有量 用法・用量
カーフェソフト エーザイ 錠剤 93mg 1回1-2錠
1日最大5錠まで
カフェロップ 第一三共ヘルスケア 約42mg 1回4粒
最大12粒まで
トメルミン ライオン 錠剤 167mg 1回1錠
1日3回まで
エスタロンモカ12 エスエス製薬 錠剤 100mg 1回2錠
1日2回まで

※注意:全てにおいて、コーヒーやお茶などカフェインを含む飲料と同時に服用しないでください。

カーフェソフト、カフェロップ、トメルミンについては、1日の最大用量が500mgに設定されています。
エスタロンモカ12は、最大量が400mgになっています。

成人の方であれば、500mgが最大であっても400mgまでで止め、常用しないようにしましょう。

妊婦中のカフェイン摂取は推奨されていないので、産科の先生と相談しましょう。
コーヒーなどを飲みたい場合は、デカフェやカフェインレスなど、カフェインの含まれていないものを飲むことも検討してみてください。

まとめ

カフェイン錠を購入して、飲んだり手元に置いておいたりしながら勉強・仕事に勤しむ方もいることでしょう。

しかし、すでにコーヒーなどを飲んでいたりすると、飲んだ時に起きる副反応を考えても、眠い時は一旦寝てから作業をした方が効率的かもしれませんね。

錠剤はメーカーごとに含有量が異なります。上手く使う上でも、1錠あたりの含有量が少なめのほうが一回あたりの摂取過剰による症状を防ぐことになるのでよいかもしれません。くれぐれも、中毒にならないように気をつけてください。