すぐに痩せたいからという理由で、食事抜きダイエットをしたことがある人もいるのではないでしょうか。断食はたしかに体重の変化がすぐに見られ、手応えを感じやすいダイエット法かもしれませんが、食事を抜くという方法は果たして健康といえるのでしょうか。断食ダイエットのリスクについてみていきましょう。
断食は危険?考えられる健康リスクとは
断食は食事を全くとらない状態で数日間過ごす方法で、極端な食事制限によりリバウンドや健康に悪影響を与えることがあります。
場合によっては摂食障害などの精神的な病気にかかることもあるので、十分な注意が必要です。
断食によって考えられる健康リスク
- 拒食症や過食症などの摂食障害
- 無月経
- 鉄欠乏貧血
- 低血圧
- 不整脈
- (女性の場合)低出生体重児
特に、若い女性や妊娠中の女性が無理な食事制限をすると、生まれてくる子供の将来に影響を与えるのではないかと考えられています。低体重で生まれてきた子供は、エネルギーを溜め込みやすい体質になることが多いようです。エネルギーを上手く消費できないと肥満になりやすく、生活習慣病になるリスクが高まります。
自分自身の健康を守ることは、次世代の子どもたちの健康を守ることにも繋がります。自分だけではなく子どもの将来を見据え、極端なダイエットをするのは控えた方がよいでしょう。
若い女性の痩せ願望について
若い女性の痩せ願望は社会問題の1つといえるかもしれません。メディアに露出するモデルや芸能人に憧れて、「痩せていることが美しい」と思い込んでしまう人が多くいます。また、次々に出てくる斬新なダイエット法や、適正体重への間違えた認識なども極端なダイエットをすすめてしまう原因です。
国民健康・栄養調査では、20代の女性における痩せの割合は20%付近で推移しています。多くの人は痩せる必要がないのにも関わらずダイエットをしている状態です。20代はこれから出産を迎える人も多い世代。安定した心と健康な体を維持するためにも、ダイエットに対する正しい理解が必要です。
プチ断食なら効果あり?
完全な断食ではなく、プチ断食や間欠断食と呼ばれるダイエット法であれば、続けやすく、健康に対してのメリットもあるという報告があります。ただし、普通のダイエットに比べて必ずしも優れているわけではないようです。
間欠断食の例をいくつか見てみましょう。
・朝食後24時間の断食を週3日、8週間(食事制限あり)
断食をしつつ、食事制限もする方法です。食事を摂取する日は、必要量の70%にエネルギーを制限した食事をとった群が最も体重と体脂肪を減らしたと報告されています。
・1日16時間、毎日の断食を12週間
10時〜18時までは好きなものを食べ、それ以降は水やカロリーゼロのドリンクで過ごすという断食法です。この方法では、初期の体重から平均3%減少し、血圧も下がったとの報告があります。この方法で行うと摂取するエネルギーも自然と制限されやすいようです。
このほか、週に丸2日断食をすれば、あとは好きなものを食べてもよいという方法もあります。間欠断食といっても色々な方法があり、方法によっては効果やリスクも変わるので、自分に合ったものを見つけられるといいですね。
通常のカロリー制限をするダイエットでは計算が必要なので、カロリーを計算しない間欠断食の方が取り組みやすいとの声もあります。しかし、健康的で持続可能な食生活を送ることの方が大切だという意見もありますので、どちらがよいか選ぶのは自分次第です。
まとめ
間欠断食は必ずしもエビデンスがあるというわけではありません。極端なダイエットは健康を害することがあるので、特に出産を控えた若い女性は注意してください。リバウンドを防ぐためにも、無理なダイエットや必要のないダイエットは控えて、バランスのよい食生活をしていきましょう。