肩こりのメカニズムと意外な原因とは?病院に行くべき?」で肩こりの分類について紹介しました。ただ、原因疾患がない肩こり(本態性肩こり)に悩まれている方は多いでしょう。実際に厚生労働省が行った調査でも、自覚症状として肩こりを挙げる方は女性で1番多く、男性も2番目に多い結果となっています(厚生労働省|平成28年 国民生活基礎調査の概況|Ⅲ 世帯員の健康状況より)。肩こりは頭痛を伴うこともあり、生活への影響もあります。今回は予防法・解消法についてご紹介します。

目次

肩こりの予防法は?

パソコン

肩こりは猫背などの姿勢や同じ姿勢を続ける事による筋肉負担からくる筋肉疲労や、運動不足、ストレスなどが原因となる事が多いため、以下の事に注意すると予防につながります。

同じ姿勢を長く続けない

近年のIT化により、多くの方がパソコンを使って仕事をする機会が増えました。パソコンを伴う作業はVDT(Visual Display Terminals)作業と呼ばれ、労働者の精神的疲労や身体的疲労といった問題点も指摘されています。目を酷使することで肩こりを招く眼精疲労はその一つです。

厚生労働省では労働衛生管理のためガイドラインを策定し、その中で同一作業が1時間を超えないようにし途中で10分〜15分の休憩を入れるよう推奨しています。椅子や机の広さや高さについても、体型にあったものにし、姿勢にも注意するよう呼びかけています。

悪い姿勢を長時間続ける事は肩こりだけではなく、脊椎にもダメージを与えます。肩こりどころでは済まなくなりますので、日頃から脊椎に負担のかからない姿勢を意識しましょう。脊椎は体の横から見るとゆるやかなS字カーブを描いています。椅子に座る時は深く座り、背中を丸めないよう意識しましょう

肩を温めて筋肉の緊張を緩め、血行を良くする

筋肉が緊張していると肩こりが起きやすくなります。入浴して体を温めたり、蒸しタオルを肩から首にかけて置いて直に筋肉を温めたりすると効果的です。過度に冷房に当たると血行が悪くなり筋肉は緊張してしまうので、体を冷やしすぎないことも大切です。

適度な運動で体に刺激を与える

作業中に定期的に休憩をとるだけでなく、簡単に肩周りを動かすことなども肩こりの予防になります。またウオーキングやストレッチなど体全体を適度に動かす運動も、血行を良くするので取り組んでみてください。

肩こりの解消法は?

実際に肩こりが起こった場合も、予防法と同じく筋肉の緊張をほぐすことが必要になります。

肩を温める

蒸しタオルや入浴で肩や体を温めて血流を改善させましょう。

マッサージする

肩周辺の筋肉をほぐしてあげるのも有効です。注意したいのは力加減で、こっているからといって強く力を入れすぎるとかえって筋肉の緊張や疲労を招いてしまいます。

適度な運動

血流を改善させるために適度に体を動かしましょう。また、肩こりの原因の一つであるストレスを解消する上でも有効です。

薬物療法

病院を受診して、処方された消炎鎮痛成分の含まれた湿布を患部に貼ったり、筋肉の緊張を鎮める薬を服用したりします。また患部の筋肉や神経に局所麻酔薬などを注射する方法もあります。医師とよく相談しましょう。

まとめ

ここでは原因疾患が明らかではない「肩こり」の解消法についてご紹介しました。原因疾患が別にある場合(脊椎や肩関節など)は、その疾患に応じた解消法や治療がありますので、必ず医師のアドバイスのもと治療を進めましょう。