「健康のためにはバランスのよい食事を摂りましょう」とよく言われます。シーソーややじろべえのように「中心」がどこなのか分かるものであれば、バランスをとるといわれれば理解はできます。しかし、食事には中心が見当たりません。どのようにすれば「バランスのよい食事」と言えるのでしょうか。

目次

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「バランスのよい食事」に欠かせない3つのポイント

まず、バランスのよい食事についてポイントをお話します。気をつけるべきポイントは3つあります。

  1. 食事時間
  2. 食事の質
  3. 食事の量

この3つのポイントが自分の身体と見合ったとき、「バランスの良い食事」だということができます。

次にこの3つのポイントが自分の身体に合っているかを確認していきましょう。

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ポイントその1「食事時間」

1つめのポイントは「食事時間」です。健康のためには規則正しい生活が大切だといわれますが、中でも重要なのが「睡眠時間」と「食事時間」です。特に、毎日の食事時間がまちまちであると、胃は消化酵素をいつ用意すればよいか分かりません。まちまちな時間に食べていると、胃のほうは消化酵素の用意ができていないのに、食事が入ってきた or 消化酵素を用意しているのに食事が入ってこない……、ということが起こります。1ヵ月に1回や2回は「おつきあい」などで仕方がないときもあると思います。しかし毎日、不規則な食事時間での食事が続くと、消化・吸収スムーズに行われません。そのため、不規則な食事が続けば続くほど、身体はエネルギーを蓄積しようとし、体脂肪が増えていきます。

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ポイントその2「食事の質」

2つめのポイントは「食事の質」です。新鮮な食材を使う……、ということも「質」の一部になろうかと思いますが、ここではメニューだと考えてください。

最も「質」がいいのは定食の形式です。ハンバーグ定食にしても煮魚定食にしても、共通しているのは「主食」である「飯」があり、「主菜」である「肉や魚、卵」などを使った料理があり、「副菜」と呼ばれる「野菜の料理」があります。町中の定食屋さんでは、主食・主菜・副菜に加えて、みそ汁とおしんこがついていますが、みそ汁とおしんこは食塩含量が多いため、割愛することをオススメします

イメージしづらい場合は、小学校の給食を思い出してみてください。「主食」としての「パン」があり、「大きいおかず」と呼ばれる「肉や魚」の料理があります。さらに「小さいおかず」と呼ばれる「野菜料理」があったはずです。小学校ではこれに牛乳がついていたと思いますが、牛乳はなくても問題ありません(毎食、飲む必要はありませんが、骨粗しょう症予防のために1日1本は飲むと良いでしょう)。

このからくりを説明すると、主食で「炭水化物」が、主菜で「たんぱく質(+脂質)」が、副菜で「ビタミン・ミネラル」が摂れるので、いわゆる「5大栄養素(現在はこういう言い方はしませんが)」がすべてそろうのです。細かいことを言うと、1食だけを見るとビタミンやミネラルなどに過不足が生じる栄養素もありますが、毎食メニューが変われば、入っている栄養素も少しずつ違うため、3日分、1週間分の平均をとると過不足は相殺されて解消されます。そのため、細かい栄養のバランスのチェックは病気による食事療法を行っている場合を除いて、あまりシビアに考える必要はありません。むしろシビアには考えないほうがよいです。シビアになりすぎると、継続が難しくなってしまいます。

主食・主菜・副菜を考える際も、シビアになりすぎず、この3つの要素がそろっていればOKとして下さい。例えば、牛丼屋さんに行って、牛丼を頼みたい場合。牛丼はご飯の上に肉が乗っています。主食と主菜の要素はあります。でも、副菜がないのでどうしよう?サラダを一緒に注文しよう、といった感じです。

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ポイントその3「食事の量」

3つめは「食事の量」です。先ほどの主食・主菜・副菜のうち、主食と主菜の量に気をつけます。どちらも自分の手を使って適量を知ることができます。1食あたりの量は、主食は「グゥ」の手1つ分。主菜は指を隠した手のひら1枚分です。これを1日3回、食べるのです。

これだけでは満足できない人もいると思います。そんな場合は副菜を多くして下さい。副菜はビタミン・ミネラル源として重要ですが、あまりエネルギーが多くありません。かさましとしても利用できます。

まとめ

以上3つを守ることが「バランスの良い食事」の考え方です。ポイント2とポイント3は糖尿病食事療法のための食品交換表や四群点数法、または日本食品標準成分表などを使用することが本来のやり方でしょうが、そこまでやろうとすると他のことができなくなってしまいます。実は、実行しようとすると、以上の3つでも意外とたいへんです。効果が出やすいのは「食事時間」の改善から順に取り組んでみることです。また、完璧に実行しようとすると途中で辛くなってしまい、投げ出したくなってしまうこともあるかもしれません。そうならないように「できるところだけでもやってみる」ことをオススメします