耳掃除をしているときに、血が出てしまったり、耳だれに血が混じったりしていたことはありませんか。

耳から出血したときは、耳かきなどの外的な刺激によるものと、耳の病気によるものが考えられます。

今回は、耳の出血の原因と、適切な対応方法についてご紹介します。

目次

耳からの出血の原因は?

外耳道炎

耳から鮮やかな血が出た場合は、ほとんどが外耳道の炎症や外傷によるものです。

アトピー性皮膚炎、爪や耳かきで引っ掻いてできた傷が菌などに感染を起こした状態です。

気温と湿度が高くなる夏場は、菌にとって最適な環境になるので、外耳道炎を多く発症します。

急性中耳炎

耳だれに血が混じっていたら急性中耳炎を疑いましょう。

通常は、鼓膜の内側は無菌状態ですが、風邪をひいたときなど、鼻から細菌やウィルスなどが中耳へ入るようになります。

細菌などに感染すると、鼓膜が炎症を起こして粘膜が赤く腫れて、浸出液が出るようになり、耳だれと一緒に血が出てくると考えられています。

慢性中耳炎

血と膿が混じって出る場合は、慢性中耳炎を疑いましょう。

急性中耳炎を繰り返すことによって、鼓膜が破れることがあります。

中耳粘膜は少しの刺激で炎症を起こし、感染しやすい場所なので、孔のあいた鼓膜から細菌などが入ると、すぐに感染を起こすようになります。

細菌感染があると、膿や血が出て鼓膜の孔から外耳道に耳だれが出るようになります。

外傷性鼓膜穿孔

耳かきをしているときに、誤って耳かきが耳の奥に入ると、鼓膜が破れることがあります。

その他、平手で耳を叩かれたとき、ボールが耳に強く当たったときなどの刺激でも鼓膜が破れます。

鼓膜が破れた瞬間は耳が激しく痛みます。その後で、聞こえが悪かったり、血が出たり、めまいが起こったりと様々な症状が出てきます。

それぞれどんな症状があるの?

外耳道炎、急性中耳炎、慢性中耳炎、外傷性鼓膜穿孔の症状の違いです。

病気 主な症状
外耳道炎 耳がとてもかゆい、耳だれが出る、耳だれに血が混ざる、耳が熱く感じる、耳が痛い、耳塞感
急性中耳炎 耳が痛む、聞こえが悪い、耳塞感、耳だれが出る、耳だれに血が混ざる、発熱
慢性中耳炎 聞こえが悪い、耳だれが出る、膿が出る、膿に血が混ざる
外傷性鼓膜穿孔 耳が激しく痛む、聞こえが悪い、出血する、めまい

耳が痛む、かゆい、耳だれが出る、膿が混ざる、出血する、など病気によって症状は異なります。

耳から血が出たときの応急処置は?日常生活で注意することはある?

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外耳道炎

  • 耳だれが出ていれば、外耳道に綿球を当てて、耳だれが耳の外に垂れないようする
  • 耳が熱く感じるときは、冷たいタオルで耳を冷やす
  • 耳を爪で掻かない
  • プールに入らない

急性中耳炎

  • 耳だれが出ていれば、外耳道に綿球を当てて、耳だれが耳の外に垂れないようする
  • 耳が痛いときは、耳の周りを軽く冷やす
  • 入浴は軽く入る程度にして、外耳道に水が入らないように気をつける
  • プールに入らない

慢性中耳炎

  • 耳だれが出ていれば、外耳道に綿球を当てて、耳だれが耳の外に垂れないようする
  • 聞こえが悪ければ、聞こえの良い方の耳から話し声が入るように、座る位置を工夫する
  • 入浴は軽く入る程度にして、外耳道に水が入らないように気をつける
  • プールに入らない

外傷性鼓膜穿孔

  • 耳に水が入らないように、入浴時などは、外耳道に綿球を当てる
  • 耳かきをするときは、周りに誰もいないことを確かめる
  • 取りにくい耳垢は耳鼻咽喉科で取ってもらう
  • プールに入らない

綿球の使い方

  • 綿球は1センチくらいのものを使い、外耳道に当てる(耳の孔に入れないで当てるようにする)
  • 落ちないようにサージカルテープなどで留める
  • 汚れたら交換する

まとめ

耳からの出血は、外耳道を傷つけたこと、中耳炎や鼓膜の破裂などが原因で起こります。耳だれの中に血が混ざるときは、綿球を当てて耳の外に漏れないようにしましょう。

外傷性鼓膜穿孔の一番の原因は、耳掃除をしているときに子どもがぶつかったことによる鼓膜の破裂です。耳掃除をするときは、子どもがいないか確かめて行うようにしましょう。