ついつい食べ過ぎてしまった、ということは誰しもあるかと思います。
しかし、その食べ過ぎがどうしてもやめられず、自分を責めるような気持ちになる場合には神経性過食症もしくは過食性障害かもしれません。
この記事では過食について、病院で治療を受けるべき症状を説明していきます。

過食がやめられない…治療すべき?
冒頭でも触れましたが、過食といっても自分でコントロールできる範囲で、たまに食べ過ぎてしまうことがあるくらいであれば治療が必要なレベルではありません。
しかし摂食障害と言って、食習慣が身体と心の健康に悪影響を及ぼしているケースでは、心療内科などで治療を受けるべきであると言えます。
過食がみられる摂食障害として、主に下記の2つが挙げられます。
神経性過食症(過食症)…排出行動があるタイプ
いわゆる過食症のことで、正しくは神経性過食症と呼びます。
神経性過食症の特徴は、過食のあと、その影響で体重が増えることを防ぐために無理な排出行動(嘔吐など)をしてしまうことです。
体型はやせ型の方から肥満気味の方まで様々で、患者さんの90%以上は女性と言われています(厚生労働省より)。
過食性障害…排出行動はないタイプ
上記の神経性過食症と同じく過食がやめられない摂食障害ですが、嘔吐などの排出行動はみられません。
体型は正常な範囲から肥満体型の方までいますが、肥満体型の方に多く見られる病気です。
神経性過食症に比べて、患者数の男女差は少ないです。
神経性過食症(過食症)の症状
神経性過食症では、以下のような症状が見られます。
- 過食を繰り返し、やめられない
- 体重増加を防ぐため、排出行動(嘔吐・下剤の乱用・激しい運動・絶食)をしてしまう
- 体重が増えることを極端に恐れている
- 過食と、それに伴う排出行動が平均3か月に渡って週 1 回以上ある
神経性過食症では自分の食欲をコントロールできなくなり、大量の食べものを短時間のうちに摂取してしまいます。
その量は一般の方と比べるとはるかに多く、数千キロカロリーを一度にとってしまうこともあります。
しかしその後、食べ過ぎの影響を気にして自発的に嘔吐したり、下剤を飲んだりと、極端なダイエットに走ってしまいます。嘔吐を繰り返す人では、自分の指を口に入れるため手の甲に傷(吐きダコ)ができてしまうこともあります。
過食性障害の症状
過食性障害の方には、下記のような症状が見られます。
- 過食を繰り返し、やめられない
- 食べるのがとても早い
- 空腹を感じていなくても食事がやめられず、苦しいくらいに食べる
- 過剰に食べている自分を恥ずかしく感じる。食後、罪悪感を覚える
- 過食が平均3か月に渡って週 1 回以上ある
おおむね、上記の神経性過食症と似た症状が出ますが、排出行動がセットになっていません。
摂食障害の原因は何?
過食を含む、摂食障害の原因は未だによくわかっていません。
- 痩せている方が理想的だと感じる文化
- 女性らしい体つきになることを拒むため
- 自尊心が低く、ダイエットによって自己評価を高めようとしている
- 肥満をからかわれた経験
- ストレスを食事で紛らわせていた
など様々な理由が考えられており、1つの理由とも限りません。
誰でも摂食障害になる可能性があると言えるでしょう。
過食を治すためには?
過食を治すためには、精神科、あるいは心療内科でのカウンセリングなどをします。
しかし病的な過食は精神的なものが原因の場合が多く、なかなか治療が難しい病気でもあります。
まとめ
摂食障害は脳の機能が乱れる生物学的な疾患です。
自分で食欲をコントロールしようと無理に努力しても、なかなか食への依存から抜け出せません。
またこの病気は一人で悩んでいる場合が多く、隠したりごまかしたりすることも多いため周囲が気付いてあげられないこともあります。
治療できる医師は極めて限られます。口コミ等で調べてから受診すべきです。
早期の治療で早い回復が見込めますので、ご自身の過食症を悩んでいる方は、早めに病院へ行き治療を開始して欲しいと思います。