月経不順で困っている人も、月経前のイライラで悩んでいる人も、抱えている原因には女性ホルモンの不調が関わっているかもしれません。

私たちのからだは女性ホルモンにコントロールされています。月経痛とホルモンバランスはあまり関係ないことが多いですが、女性ホルモンがきちんと分泌されていれば、月経は規則正しくやってきますし、ホルモンに対する感受性が正常範囲ならPMS(月経前症候群)も日常生活の妨げになるほど悪化しないのです。

目次

自己判断は危険です

月経のトラブルで悩んでいるときは、まず女性外来や婦人科に行ってみてください。病気の有無を調べると同時に、あなたのホルモン状態もチェックしてくれます。

また、おりものの異常やデリケートゾーンのかゆみは、相談しづらいと感じる人も多いので、放っておいて症状を悪化させてしまったり、ぶり返してしまったりしがちです。これらは見た目では分からない病気が隠れていることが多いため、自己判断は禁物です。

毎朝、一定時刻にベッドのなかで体温を測る

月経(生理)のトラブルの大きな原因は、女性ホルモンの不調です。自分のホルモンの状態を調べたいときは、1ヶ月間、基礎体温表をつけてみましょう。

基礎体温とは、基礎状態の体温のことで、呼吸以外の運動をしないで、静かに寝ている状態で測った体温のことです。朝の一定時刻に、ベッドの中で動かずに測れば、自分の基礎体温がわかります。

毎日基礎体温を測れば、月経周期を把握できます。エストロゲン(卵胞ホルモン)が優位に働く月経から排卵までは低体温になります。体温は排卵でいったん低くなり、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増える黄体期に高くなります。

検温は基礎体温計が便利です。体温をグラフに記して、前の日の体温と線で結ぶと、体のリズムが分かります。

正しい月経を知っていますか?

女

女性同士でも月経(生理)の話はしにくいものです。どんな月経が「正しい月経」なのでしょう。

月経周期は25~38日が正常です。90日以上こないと無月経で治療の対象になります。月経期間は3~8日。この間20~150 gの経血量が正常です。

月経はエストロゲンとプロゲステロンによって起こります。

エストロゲンは、女性らしさをつくるホルモンです。思春期から分泌量が増え、体つきを女性らしくしたり、妊娠に備えて子宮内膜を厚くしたりします。プロゲステロンは妊娠を助けるホルモンです。排卵が終わると、妊娠準備のためにプロゲステロンが優位になり、子宮内膜をふかふかにします。妊娠が成立しないと、プロゲステロンが下がり、内膜が剥がれ始めます。ここからが月経です。

プロゲステロンが下降すると、内膜が剥がれやすくなります。下降しきる月経2~3日目が「経血量が多い日」になります。プロゲステロンがなかなか下がらなければ「多い日」は遅くなることもあります。

正常なら好不調の波がある

排卵から次の月経が始まるまでの黄体期のあいだは、体温が高くなり、イライラやむくみ、胸の張りなど、あちこちに不調が起こる「アンバランス期」です。

黄体期は誰もが少々の不調を感じるものですが、このアンバランスが酷くなって日常生活に支障が出てくると、PMS(月経前症候群)と呼ばれます。

ただし、1ヶ月のうちに、好・不調の波があるのは、正常なことです。波を全く感じられない場合は、無排卵かもしれません。

まとめ

月経(生理)で辛いときは女性ホルモンが原因です。迷わず婦人科や女性外来へ行きましょう。婦人科の検査を受けるには、どちらを受診してもOKです。もし、あなたが婦人科の内診や検査に不安や抵抗感があるときは、あらかじめ連絡して、「内診なし」にしてもらってもいいのです。問診のときに、検査内容や検査機器を具体的に説明してもらいましょう。