ドラッグストアなどに専用のコンタクトレンズコーナーがあるように、私達にとって身近な存在となっているコンタクトレンズ。装用者にとってはもはやコンタクトレンズは生活する上でなくてはならないものとなっていますよね。そんなコンタクトユーザーが悩むのが目薬についてです。市販でもたくさんのコンタクト用目薬が販売されていますが、普通の目薬との違いを知っていますか?ここでは、コンタクトレンズ用の目薬と普通の目薬の違いを解説します。

目次

コンタクトレンズの普及

「近視大国」と言われるように日本ではコンタクトレンズ使用者は年々増え、時々しかコンタクトレンズを使用しないオケージョナルユーザーも含めるとコンタクトレンズ使用者は2000万人を超えるといわれています。しかし、コンタクトレンズが普及することで、どうしてもその問題点も取り上げられるようになりました。

コンタクトレンズによるトラブルとして多いのが目の乾き「ドライアイ」です。コンタクトレンズを使用する上でドライアイは切っても切れないものといっても過言ではないかもしれませんが、目薬を使用することで症状を軽減させることはできます。目薬を上手に使っていくことが、コンタクトレンズのトラブル解消にも繋がっていくのです。

コンタクト用目薬と普通の目薬の違い

目薬

では、コンタクト用の目薬と市販の目薬とは一体どこが違うのでしょうか。

市販の目薬には容器内で菌などが繁殖しないように防腐剤が含まれています。防腐剤のおかげで、多くの目薬は開封してもある程度の期間使用できるようになっているのです。つまり、防腐剤は目薬の品質保持のためには欠かせないといえます。

しかし、コンタクトレンズにとってはこの防腐剤がトラブルの元凶になることがあります。目薬に防腐剤を含むメリットとして殺菌作用が挙げられる一方、デメリットとしては角膜の細胞にも影響を与えてしまい、角膜上皮障害、つまり角膜に傷をつけてしまう可能性もあるのです。

コンタクトレンズは角膜の上に乗せて使用するものなので、裸眼の状態よりも角膜の負担は大きく、自覚できないような小さな傷をつけてしまうことがよくあります。角膜が弱っている状態ではこの防腐剤の影響を受けやすくなっています。

コンタクト用目薬には角膜障害を引き起こす可能性のある防腐剤は含まれていないものがほとんどです。つまりコンタクト用目薬と普通の目薬の違いは「防腐剤」が含まれているか含まれていないかということなのです。

コンタクトレンズと防腐剤

コンタクトレンズ使用者がコンタクト用目薬を使わなくてはいけない理由として、実はコンタクトレンズの素材も関係しています。

コンタクトレンズには「ハードコンタクトレンズ」「ソフトコンタクトレンズ」の2種類があります。今人気の「使い捨てレンズ」は、ソフトコンタクトレンズです。

ハードコンタクトレンズは素材が硬いため、水道水や目薬などの影響をあまり受けません。ソフトコンタクトレンズは水分を含んだ柔らかいレンズなので目薬の成分がソフトレンズに吸い込まれて蓄積しやすくなります。つまり、防腐剤の入っている目薬をソフトコンタクトレンズの上から点眼すると、レンズが防腐剤を溜めこんでしまい、角膜が常に防腐剤の危険にさらされることになるのです。そのため、ソフトコンタクトレンズ使用者は防腐剤の入っていないコンタクト用の目薬を使う必要があるというわけです。

普通の目薬が使えるソフトコンタクトレンズはあるの?

水の波紋

防腐剤が蓄積してしまうためソフトコンタクトレンズはレンズ上から普通の目薬は使えないと説明しました。しかし、実は中にはソフトコンタクトレンズでありながら普通の目薬が使えるレンズがあるのです。それが、使い捨てコンタクトレンズです。

使い捨てレンズと言っても、1日使い捨てのいわゆる「ワンデータイプ」もあれば2週間で使い捨てる「2WEEKタイプ」・1カ月で使い捨てる「マンスリータイプ」など使用期間によって様々なタイプがありますが、この中でも1日使い捨てのワンデータイプは例えレンズ上から防腐剤入りの目薬をさしてもその日のうちに捨てるため、防腐剤の影響はそれほど大きくないとされています。その他の使い捨てレンズに限っては2週間や1カ月で新しいレンズと交換するタイプになるため、その期間は防腐剤がレンズに蓄積される恐れがあります。角膜への影響を考えると、コンタクトレンズをはずして目薬をさす方がよいでしょう。

しかし、目薬をさすということは目に何かしらの不都合があるということです。傷・充血・かゆみや乾きにしても、目に何かしらの異常がある場合はコンタクトレンズをはずすというのが基本となります。例えコンタクトレンズの上から点眼できるコンタクト用目薬であったとしても、原則的にはコンタクトレンズをはずしての点眼が目にとっても安全だということを覚えておきましょう。

まとめ

コンタクトレンズを使用している場合、このように目薬についても細心の注意を払う必要があります。例え目薬の影響を受けにくいハードコンタクトレンズでも目にコンタクトレンズという異物を入れていることに変わりはないので、レンズをはずして点眼するにこしたことはありません。適切な目薬を使用しないと逆に角膜に傷をつけてしまったり、コンタクトレンズの寿命も縮めてしまったりすることになりかねません。正しい使用方法を守ることが目の健康も保ち、コンタクトレンズも長持ちさせるコツといえます。