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2011年から2012年にかけて大流行し、過去10年間において過去最多の患者数が報告されたマイコプラズマ肺炎(国立感染研究所|感染症発生動向調査 週報・月報 速報データより)。

かつては周期的(4年に1度)に流行をみせていたマイコプラズマ肺炎ですが、2016年には夏季にかけて流行がみられました。
皆さんはこのマイコプラズマ肺炎についてどのくらいご存知ですか?潜伏期間は?症状は?どのように感染する?

ここでは、このマイコプラズマ肺炎という病気について詳しく説明していきたいと思います。

マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎とは、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)という細菌によって引き起こされる肺炎のことを指します。
主に気管支や喉などに感染して炎症を起こします。

肺炎球菌などによって引き起こされる一般的な肺炎とは違う種類の肺炎であるため、以前は異型肺炎と呼ばれていました。
この異型肺炎の大半を占めているのが、マイコプラズマ肺炎です。

6~12歳の小児に多く、小児や若い人の肺炎の原因として多くみられます。

症状は?

頭を押さえる男性

4~5日続く発熱・全身倦怠感・頭痛などの症状が現れます。
また痰などを伴わない乾いた咳(乾性咳嗽)がみられます。

は経過とともに強くなり、熱が下がったあとも1ヶ月程度続くことが特徴的とされています。
年長児や青年では、後期になると痰を伴う湿った咳(湿性咳嗽)になることが多いようです。

声がかすれる(嗄声)、耳痛、咽頭痛、消化器症状、胸痛などといった症状や、ゼイゼイ・ヒューヒューといった呼吸音(喘鳴)が認められることもあります。

主に肺炎が多いですが 、中耳炎・無菌性髄膜炎・脳炎・肝炎・膵炎・溶血性貧血・心筋炎・関節炎などの合併症を併発する場合もあります。

潜伏期間感染経路は?

感染してから発症するまでの潜伏期間は通常2~3週間とされています。

感染経路としては、咳やくしゃみなどのしぶきが飛ぶことで近くにいる人に感染する飛沫感染、感染している人との接触による接触感染があります。

そのため、家族間での感染や学校などの集団生活の場で感染しやすく、流行しやすい感染症となっています。

1年を通じてみられる感染症で、風邪やインフルエンザとは異なり流行時期はまちまちです。

まとめ

マイコプラズマ肺炎の症状は風邪のような感冒症状を呈するため、病院などに行かずに自己判断で様子をみてしまうことがあります。

しかし、潜伏期間も2~3週間と長く他者への感染の影響も否定できません。
そのため、いつもの風邪とは違う乾いた咳や長引く咳などあった場合は早期に病院を受診しましょう。

これからの季節、インフルエンザなども流行しやすい時期となります。普段から手洗いうがい、マスク着用などの予防行動をとることで感染から身を守るようにしていきましょう。