風邪だと思って体温を測ってみると、37.0℃と微熱であった。しかし、市販の風邪薬を飲んでも1週間くらい治らない。このとき、その微熱は風邪によるものではなく、風邪以外の何か違う病気からくる微熱かもしれません。風邪以外で微熱が生じる病気を「少し熱っぽい…その微熱の原因は風邪?それとも別の病気かも!?」でまとめています。ぜひ、こちらの記事もご覧ください。
ここでは、微熱はあるけれど風邪っぽくないときにどの科に行けばよいのか、またそこでの検査や治療方法について説明していきます。
微熱は何科にかかればいいの?
微熱を生じる病気は沢山あります。ここでは「少し熱っぽい…その微熱の原因は風邪?それとも別の病気かも!?」で取り上げた肺結核や虫垂炎、尿路結石、マラリアに絞って説明していきます。
肺結核やマラリアは細菌や寄生虫が原因となっています。細菌や寄生虫による病気は感染症に分類されますので内科、または感染症内科があればそちらにかかるのが良いでしょう。尿路結石は尿の通り道にできる結石であるため、尿路系を主に扱う泌尿器科にかかることをおすすめします。そして、虫垂炎は消化管の一部の病気ですので、消化器内科にかかると良いでしょう。
なお、虫垂炎については、「虫垂炎かもしれない…何科にかかればいい?チェックする方法は?」で詳しく説明しています。ぜひ、こちらもご覧ください。
微熱で疑われる風邪以外の病気の検査

1.肺結核
肺結核が疑われた際に行われる検査は、
- X線撮影
- ツベルクリン反応・インターフェロンガンマ遊離試験
- 好酸菌染色検査
です。
これらの検査で結核菌が存在すれば、肺結核を疑い治療が開始されます。
2.マラリア
マラリアが疑われる場合には採血をして、その血液にマラリア原虫がいるかどうかを調べます。
3.尿路結石
尿路結石が疑われた際に行われる検査は、
- 腹部画像診断(CTやエコーなど)
- 尿検査
です。
これらの検査で尿路結石が疑われれば、尿路結石の治療に移ります。具体的には、画像で尿路結石による尿のうっ滞が見られたり、尿検査で血が混じっていたりといった具合です。これらの検査結果が見られたら、尿路結石の確率が一気に上昇します。
微熱で疑われる風邪以外の病気の治療

この章では、上記に示した検査でその疾患が疑われたとき、どのような治療をするのかを説明していきます。
1.肺結核
肺結核が疑われた際に行われる治療は多剤併用療法という薬物療法です。この治療にはイソニアシド、リファンピシン、ピラジナミド、ストレプトマイシン(またはエタンブトール)という4種類の薬を使い、結核菌が消えるまで行います。
2.マラリア
マラリアも肺結核と同様、多剤併用療法が行われます。しかし、使われる薬剤が異なり、クロロキンやメフロキン、スルファドキシン、ピリメタミンという、マラリアに有効な薬を使います。特に、この治療では副作用に注意する必要があります。
3.尿路結石
尿路結石が疑われた際に行われる治療は、
- 痛みに対する保存的治療
- 結石に対する保存的治療
- 体外衝撃波砕石術
- 手術あるいは内視鏡
の4つです。
尿路結石にはかなりの痛みが伴います。ですから、NSAIDs等の痛み止めを使って、まず痛みを和らげる必要があります。痛みの治療後、結石の治療に入ります。水を1日に2~3L飲み排石を促したり、利尿薬を使って排石を促したりします。
そして、これらの治療をやっても石が取り除けなければ、振動を機械から出して、石を細かくする体外衝撃波砕石術や、手術や内視鏡で取り出す方法などがあります。
※虫垂炎も微熱を生じる病気の一つです。虫垂炎の検査や治療方法は、「虫垂炎かもしれない…何科にかかればいい?チェックする方法は?」で紹介しています。こちらもご覧ください。
まとめ
微熱があれば風邪を疑うのが普通ですし、行く診療科も内科だという方が大半だと思います。微熱には様々な病気が隠されています。しかし、ここで紹介しました検査や治療を行えば、これらの病気は治ることが多いです。ですから、微熱の裏にどのような病気が隠れているのかを知っておいてください。
もし風邪以外の病気の恐れがあれば、ここで紹介した診療科の医師に相談してみてはいかがでしょうか。