蕁麻疹は、原因もよくわからないままに突然症状があらわれます。その多くは、患部が赤く腫れあがり、猛烈なかゆみを伴います。赤ちゃんなら非常に機嫌が悪くなりますし、幼児なら、じっとしていられずに自分で掻きむしってしまうでしょう。さらに、蕁麻疹は体が温まってくるとさらに痒みが増すという性質を持っています。つまり、布団の中に入って寝ようとするとひどいかゆみに襲われて、熟睡できないこともあるのです。そんな時には、病院で抗ヒスタミン剤を処方してもらうなどの対症療法が有効です。

なお、原因について詳しくは「子供の蕁麻疹、原因はいったい何?」をご覧ください。

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特発性蕁麻疹には治療薬はない?

食事

原因がわからず、数時間くらいで症状が治まってしまう蕁麻疹のことを「特発性蕁麻疹」といいます。蕁麻疹はある種のアレルギー反応ですから、その大元となるアレルギー源が特定されなければ、根本的な治療はできません。そのため、病院に行ってもとりあえず、今苦しんでいる「かゆみ」を抑えることしかできません。

病院で処方される塗り薬は、きちんとその使用方法を先生に聞いておきましょう。また、内服薬の場合、服用するとすぐに症状は目に見えなくなります。しかし、肌の奥ではまだヒスタミンが活発に分泌されているはずです。処方された薬はしっかり最後まで飲むようにしましょう。

また、かゆみがひどいときには、応急的に患部を保冷剤などで冷やしてやると治まります。蕁麻疹は急な温度の差にも敏感になりますから、お風呂に入るよりも、軽くシャワーを浴びる程度にして、涼しいところで安静にさせましょう。また、水分摂取を多めにしてください。

アレルギー性の蕁麻疹は、その原因を取り除くことから

子供の場合、アレルギー性の蕁麻疹原因となる食べ物として多いのは、牛乳や卵、小麦、大豆、そば、エビ、カニなどです。成長と共に、これらの食品ではアレルギーは起こさなくなります。

アレルギー性蕁麻疹の場合、何がアレルゲンになるのかはそれぞれの子供によって違ってきますし、さらに同じ子供でも年齢によって変わってきます。本当に除去が必要な食物を知るために必要な検査は、一回でいいというわけではありません。子供は成長とともに体質が変わってくるので、いつまで除去を続けるのか、解除しても大丈夫なタイミングがきているのかなどを知るためにもたびたび検査が必要になります。

 

検査としては、きちんと対応してもらえる医療機関で「食物負荷試験」を受けることも必要です。食物負荷試験とは、除去していた食物を食べてみて、症状があらわれるかどうかをみる検査で、小児においてはオープン負荷試験という検査を行います。

この検査は、何を食べるか、本人も調べる側もわかったうえでおこないます。自覚症状のみがあらわれた場合、本人の主観が影響していることもある(特に年長児や大人の場合に多くみられます)ので、別の検査をすることもあります。

まとめ

子供の突然の蕁麻疹には、驚かされてしまいます。特発性蕁麻疹の場合は、子供の成長によって、次第に蕁麻疹の頻度も少なくなっていきますから、あまり神経質にならないほうがいいかもしれません。アレルギー性蕁麻疹の場合、とくにアナフィラキシーの前ぶれとして蕁麻疹が起こることもあるので、一度専門医に診てもらうことをお勧めします。