牛乳は栄養バランスに優れ重要なカルシウム源となる食品ですが、乳糖不耐症で飲めないという人や、味が苦手で飲みたくないという人がいると思います。
ただでさえ日本人はカルシウムの摂取が不足気味ですが、牛乳を飲まないことによってさらにカルシウム不足に拍車がかかります。特に成長期の子供たちにとってはカルシウムは骨や歯を形成するのに必要な栄養素ですので、1日の目標量を満たすように摂取しなければなりません。
カルシウムの役割とは何なのか?どのくらい必要なのか?カルシウム不足にならないようにするにはどんな食品をとればよいのか説明していきます。
※牛乳が飲めない乳糖不耐症については、「牛乳が飲めない!乳糖不耐症って一体何?」をご覧ください。

目次

カルシウムについて

カルシウムは骨や歯を作っている栄養素で、体重の1~2%の割合で体内に存在しています。

体内のカルシウムは99%が骨と歯に貯蔵され、残りの1%は血液や筋肉などの組織に分布しており生命の維持や活動に必要な役割をしています。

血中のカルシウム濃度は一定に保たれており、そのカルシウムが使われると骨に蓄えられているカルシウムを壊して不足した分を補う仕組みになっています。

カルシウムの必要量

日本人のカルシウム摂取量の不足は長年の問題です。

2015年度に改訂された「日本人の食事摂取基準」による年代別のカルシウムの摂取量は以下の通りです。

必要量
男性 女性
3~5歳 500 450
6~7歳 500 450
8~9歳 550 600
10~11歳 600 600
12~14歳 850 700
15~17歳 650 550
18~29歳 650 550
30~49歳 550 550
50~69歳 600 550
70歳以上 600 500

{参照:日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要を元にいしゃまち編集部が作成}

平成25年度の国民健康・栄養調査によると1日のカルシウム摂取量は男性においては平均520mg、女性の平均は489mgでした(1歳以上の総合的な平均値)。1日の必要量と比較すると、ほとんどの年代で下回っていることがわかります。

牛乳が飲めない人はどんなものを食べたらいいの?

カルシウム

普通の食生活をしていても不足しているカルシウムですが、重要なカルシウム源である牛乳を飲むことができないとさらに不足してしまうことになります。

では牛乳が飲めない人はどのような食品からカルシウムを補給したら良いのでしょうか。ここでは、牛乳以外にカルシウムが多く含まれている食品を挙げてみました。

1.乳製品

牛乳が飲めなくてもヨーグルトやチーズなら食べられるという人は、一番手早く摂取できるのが乳製品です。

2.魚介類

骨まで食べられる小魚が特にオススメです。

干しエビの殻にもカルシウムが含まれています。

3.大豆製品

木綿豆腐厚揚げ納豆などの大豆製品もカルシウムをとることができます。

納豆は混ぜて食べるだけなので簡単にとりいれることができますね。

4.野菜海藻類

小松菜・チンゲン菜などの緑色の葉物野菜は栄養がたっぷりで、カルシウムもしっかりととることができます。

海藻類はミネラルの宝庫でありカルシウムをとることができますが、一度に食べる量があまり多くはないのであくまでも補助の食材として考えましょう。

以下にグループごとの食品とカルシウムの含有量についてまとめましたので、参考にしてみてください。

1食の量 カルシウムの含有量
■乳製品
ヨーグルト 100g 120mg
プロセスチーズ 25g 125mg
アイスクリーム 71g 99mg
牛乳 200ml 220mg
■魚介類
ワカサギ 70g 315mg
マイワシ 30g 132mg
干しエビ 10g 71mg
しじみ 50g 65mg
■大豆製品
豆腐 150g 180mg
生揚げ 120g 288mg
高野豆腐 20g 132mg
納豆 50g 45mg
■野菜・海藻類
小松菜 95g 162mg
チンゲン菜 100g 100mg
干しワカメ 5g 35mg
乾燥ひじき 10g 140mg
切干大根 10g 54mg

出典:骨粗鬆症財団|カルシウムの多い食品を元にいしゃまち編集部が作成

 

まとめ

カルシウムの摂取不足は長年の課題であり、不足が続くと将来骨粗鬆症になって骨折しやすい体になってしまうことが懸念されます。

骨密度は18歳でピークに達し、その後は低下していくので増やすことは難しいといわれています。そのため、特に若いうちから骨密度を高い状態に保つことで中高年になってからの骨密度の低下による骨折のリスクを減らすことができます。

将来の骨の健康のためにも、カルシウムが不足しないよう、日頃から意識をしてカルシウムの多い食品をとるようにしましょう。