激しい耳の痛み、そして、耳から膿が出る「耳だれ」…このような中耳炎の症状が出たら慌ててしまいますよね。中耳炎の特徴については、「子供も大人も要注意!その耳の痛み、中耳炎かもしれません」にまとめておりますのでご参照ください。ここでは中耳炎の治療法と、中耳炎にならないための注意点を確認しておきましょう。

目次

中耳炎にならない、悪化させないためには

中耳炎の多くは鼻から耳管を介して中耳に細菌やウイルスが入ることで生じます。中耳炎にならないためには、まず、風邪を予防することが大切です。鼻水が出るときは、両方いっぺんにかむと炎症を引き起こすことがあるので、片方ずつ丁寧にかみましょう。

子供がプールに入ったのがきっかけで中耳炎になることがあります。ただし、その場合はプールの水が耳から入って中耳炎になるのではなく、鼻水が原因であることがほとんどです。いずれにしても、風邪気味のときにプールに入るのはやめておきましょう

すでに中耳炎にかかっている人は入浴にも注意します。耳に強い痛みがあり、炎症が強いと予想される場合は入浴自体を控えるようにします。症状が軽い場合は入浴しても大丈夫ですが、耳に水が入らないように気をつけましょう。

耳だれは心配ない!?

耳から膿がでる耳だれは、ひどくなると脈拍に合わせてドクッドクッとあふれ出ることがあります。苦痛を伴うだけでなく、普段経験しないことだけに心理的にもショックを受けます。しかし、中耳炎の治療を適切に受けていれば、耳だれを過剰に気にする必要はありません。抗生剤や痛み止めを服用し、できるだけ安静にしていればおさまります。耳だれが出ることで痛みが軽減することも少なくないそうです。

中耳炎の治療は何をするの?

中耳炎は耳の奥にある中耳に炎症が起きる病気です。治療では、この炎症を取り除く処置が中心になります。軽症の場合、抗生物質や消炎剤(しょうえんざい)を服用したり、炎症をやわらげるための薬液を耳の中にたらしたりします。

中耳に膿がたまって鼓膜が腫れている場合は、鼓膜を小さく切開することでたまった膿を出す「鼓膜切開」を行います。急性中耳炎をくり返す場合には、鼓膜切開を複数回行うことがありますが、鼓膜は数日でふさがるので心配はありません。

中耳炎の多くは急性中耳炎です。急性中耳炎はしっかり治療を行えば完全に治癒することがほとんどです。ただし、治りかけたときに治療を中断してしまうと、悪化して滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)や慢性中耳炎になることがあるので注意してください。鼻や喉の炎症は中耳炎の原因になります。鼻や喉にトラブルが生じたときは、その治療を適切に行うことで中耳炎の発症を抑えることができます。

まとめ

中耳炎にならないためには、まず、風邪をこじらせないように注意すること、そして、鼻をかむときには丁寧にかむことが大切です。耳だれが出ると少しショックを受けるかもしれませんが、多くの場合はそれほど心配する必要はありません。耳の痛みや耳だれなど、中耳炎が疑われる症状が現れたら耳鼻咽喉科を受診しましょう。