例えば休日に、楽しく、もしくは体力づくりにスポーツを行っているとき、もしも運悪く眼をぶつけてしまったらどうしましょう。例えばサッカーボール、軟式野球、硬式野球のボール、バドミントンのシャトルや卓球のボールだけでなく肘や手が当たった、転倒して顔面から地面にぶつかった、など、いろんなことで顔や眼は危機に晒されているのです。

このとき重要なのは、眼が開くか?見えるか?です

今回の記事では大事な眼をぶつけてしまった時の応急処置や、そのときに眼科や救急を受診すべきかどうかについて紹介します。

目次

眼を自分で開けられる?!

眼が開かない、まぶたが異常に腫れた、出血しているなどあれば迷わず救急受診です。

眼をぶつけてしまった時、自然に眼を開けられないなら、眼球がどうなっているのかわからないのでとりあえず重症かもしれないと考えてください。

眼瞼裂傷(まぶたが裂ける)、皮下出血、顔面骨折などのためかもしれませんが、もし眼球に裂傷があると眼内組織(眼の中身)が出てくる可能性があり、そうなると視力が元に戻ることは、治療しても困難になります。絶対に無理に眼を開けさせず救急外来を受診してください。

鼻を強くかんだり、力んだりするとまぶたの腫れや眼の裂け目が更にひどくなることがあるので力を入れない様にして下さい。

ちゃんと見える?!

眼が開くが、見えないときは直ちに救急受診です。

眼を開けられるが見えないときは大変です。数時間放置すると失明する可能性すらあるので、この場合も急いで大きな病院の救急外来を受診してください。

“とりあえず眼が開いて見えている”

上記に当てはまらず、とりあえず眼が開いて見えている状態であれば、慌てなくてもよいです。ぶつけた箇所を冷やす(冷罨法、れいあんぽう)際は、圧迫せず、凍傷にならない程度にするよう気をつけましょう。

見えるけどぼやけている

見えるけれども、ぼやけている場合は、しばらく様子を見て改善しなければ眼科受診を考えてください。

ぼやけることは角膜の傷、軽い虹彩炎などで起こりうるので、元に戻るかどうか数分様子を見てから判断するゆとりがあります。

見えるがダブる

見えるけれどダブるとき、気分不快、吐き気などなければ一刻は争いません。ダブる状況は眼窩壁骨折などで起こることがありますが、治療は一刻を争うものではないため、翌日眼科受診でも間に合うでしょう。一時的な調節不全などを起こした場合にもぼやけたりダブったりすることがあり、しばらく様子を見て元に戻るなら運動などを引き続き行っても構いません。

しかし、気分不快や吐き気などがあるようならば急激な眼圧上昇、頭部打撲を伴っていることがあるので、脳外科と眼科があるような総合病院の救急外来に急いで受診させてください。

白眼が真っ赤

眼が開き見えるが、白眼が赤いとき、痛みがなければ運動などは続行可能です。

白眼に血の色が拡がる球結膜出血は表面の血管が一部切れたためであり、打撲では比較的よく起こります。ただ、白目のほとんどが真っ赤、など出血が広範囲だったり痛みが強かったりすれば裂傷が隠れていることがあるので眼科を受診して下さい。

けがの後に起こりうる病気は?

角膜の傷からばい菌が入ると角膜潰瘍になったり角膜混濁が残ったりすることがあります。

ぶつかった衝撃が透明な水晶体に影響すると水晶体が濁って白内障になることがあります。衝撃が眼の奥の網膜にまで及ぶと、網膜に穴ができて網膜剥離を生じることがあります。剥離が視力に大切な黄斑部にまで及ぶと失明する可能性が高くなります。

いずれにしても将来的な視力低下につながるため、通院を自分の判断でしないようにして下さい。

まとめ

眼球打撲はいつどこで起こるかわかりませんし、誰にも予測できません。「大丈夫だろう」と放置しておくと視力が低下したり、ひどい場合は失明したりする可能性もあります。眼科受診の必要性などをしっかりと理解しておくことで、早期の治療が可能となり、ひいてはそれが、自分や大切な人の視力を守ることにも繋がっていくことを覚えておきましょう。