打撲(打ち身)は、強い衝撃を受けたときに皮下組織や筋肉などが傷ついてしまう状態のことで、外への出血はありません。日常的に起こる可能性が高く「気が付いたら青あざができていた」という経験も珍しくはないでしょう。では明らかに激しくぶつけた場合は、どのように行動すればよいのでしょうか。強い打ち身の対処法について解説していきたいと思います。
打撲(打ち身)とは
外からの力によって身体の一部が衝撃を受け、皮膚や筋肉などが損傷し、内出血や炎症を起こした状態です。ぶつけた箇所が痛んだり、腫れたりします。
スポーツをしているときに、地面に身体を強くぶつけたり、ボールや道具などがぶつかったりしたときなどに起こります。足腰の力が弱くなっている高齢者の方も、転んだときにも起こりえます。
ぶつけた!ぶつかった!最初に確認するべき3つ
ぶつけたりぶつかったりした場合、受診が必要になることもあります。医師に状況を正確に伝えるため、落ち着いて次の3つの確認を行いましょう。
状況確認
- 「いつ」
- 「何に」
- 「どこを」
- 「どのくらいの強さで」
- 「どのくらいの範囲を」
状態確認
- 「すぐに腫れてきた」「だんだん腫れてきた」
- 「はじめから強い痛みがある」「だんだん痛みが強くなってきた」
関節部位の場合の確認
- 「いつもどおり動かすことができて、動かしても痛みは強くならない」
- 「いつもどおり動かすことはできるが、動かすと痛い」
- 「動かそうと思っても、動かすことができない」
基本の応急処置
打撲のときの応急処置として有名なものに「RICE(ライス)」があります。組織の炎症や内出血を抑え、症状がひどくなったり、長引いたりしないようにするための処置です。それぞれの処置方法の頭文字をとったもので、R=Rest(安静)、I=Icing(冷却)、C=Compression(圧迫)、E=Elevation(挙上)を示しています。
上の図版を参考にしてみてください。このRICEは打撲だけでなく、出血や肉離れなどの受傷直後にも行えます。
してはいけないことは
患部を温めたり動かしたり自己判断で手当てをすると、症状の悪化に繋がる可能性があるので注意が必要です。以下の行動は避けましょう。
- 患部を揉む
- 患部と周りの筋肉をストレッチする
打撲後の危険な症状~こんな症状のときはすぐに病院へ!~
以下は打撲の部位別の、打撲後の危険な症状のチェック項目です。下記のような症状に当てはまった場合は、危険な状態である可能性が高いため、すぐに病院へ行くようにしましょう。救急受診をするのが好ましいです。
頭、顔
- 意識がない
- 何度も吐いている
- 手足に力がはいらない、しびれている
- 目が見えない、ものが二重に見える
- 反応(応答)が悪い、変なことを言っている
胸部、腹部
- 強い痛みが続く
- 息苦しさがある
- 繰り返し吐く
- 吐いたものに血がまじっている
- 尿や便に血がまじっている
首、背中
- 強い痛みが続く
- 手足が思うようにうごかせない、しびれている
- 息苦しさがある
- 嘔吐して、嘔吐したものに血がまじっている
四肢(手足)
- 変形している
- 自力で動くことができない
- 体重がかけられない
まとめ
打撲したときに考えることは実はシンプルです。「まずはRICEの処置をする」ことと、「すぐに病院に行く必要のあるものかどうかを考える」ことの2点です。しっかりと覚えていただき、万が一のときに落ち着いて対処しましょう。特に痛みが伴うと混乱しやすくもなるので、気を付けたいところです。