携帯電話やインターネットの普及など現代は情報化社会といわれており、昔に比べると私達の生活も大変便利になりました。しかしその反面、目への影響も問題となっています。社会の情報化がもたらす「VDT症候群」についてみていきたいと思います。
「情報化社会」と「目」
私達が生活する上で必要な情報の約8割は「視覚」つまり「目」から入ってきているといわれています。「目でものを見る」という行為はごくごく当たり前のように行われているため、その重要性を忘れがちですが、目は生活していく上でとても重要な役割を果たしているのです。
現在、情報化社会となり、パソコンや携帯電話が普及し生活が便利になった一方で、目が酷使される機会も増えています。目の酷使が、眼精疲労やドライアイ・VDT症候群など様々な目のトラブルの引き金となっているのです。
「VDT症候群」って何?
パソコンやテレビなどのディスプレイを見ながらする作業のことをVDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)作業といい、長時間のVDT作業が原因で起こる症状のことを「VDT症候群」といいます。
VDT症候群はIT機器を使うことから別名「IT眼症」や「テクノストレス眼症」とも呼ばれています。
肉体的な症状だけではなく精神的な症状も問題視されており、VDT症候群は全身に様々な症状をもたらすといえるのです。
どんな症状が出るの?
では実際にVDT症候群になると、どのような症状が現れるのでしょうか。VDT症候群の症状には以下のような症状があります。
眼症状
- 目が疲れる
- 視力の低下
- 目のかすみ
- 物がぼやけて見える
- 目の乾き(ドライアイ)
- 目の痛み
- 目の充血
整形外科症状
- 頭痛
- 肩こり
- 首から肩の痛み
- 背中や腰の痛み
- 手足のしびれ
神経症状
- めまい・ふわふわ感
- 吐き気
- 倦怠感
- 集中力や行動力がなくなる
精神症状
- イライラする
- 不安感
- 気分が落ち込む
- 理由もないのに悲しくなる
- 何をするのもおっくうになる
VDT症候群は目の酷使が原因のため、目の症状だけと思われがちです。しかし、上記のように、目だけではなく身体や心の不調も引き起こしてしまいます。パソコンなど長時間作業をしている人で、目が調子悪い・なんとなく体がだるいなどという症状がある人は注意が必要です。
症状の原因
VDT作業中はディスプレイを凝視するためにまばたきの回数が減り、ドライアイをはじめとする眼精疲労の原因となります。
また、長時間同じ姿勢で作業を続けたり、キーボードを打つ動作を続けたりすることで、首こりや肩こり、腕や手のしびれの症状が引き起こされます。パソコンの画面を見るとき私たちの視線は、画面の上下スクロールなどに合わせて複雑な動きをしています。この視線の動きを支えるため、VDT作業では、特に首や頭をしっかりと固定しておく必要があるのです。
さらに、首こりや肩こりによる頚部痛や頭痛は、めまいを引き起こします。
まとめ
VDT症候群は現代人にとって、切っても切り離せないものかもしれません。また最近では携帯ゲームなどの普及により、大人だけではなく子どものVDT症候群も問題となっています。自分の目・子どもの目を守るためにも、VDT症候群についての正しい知識を持つことはとても大切なことなのです。
予防のためには、長時間のVDT作業を避ける・長時間作業の必要がある場合には1時間ごとに1回席を離れて休憩をはさむなどの対策が有効です。次の記事では、VDT症候群の予防について詳しく解説します。