一見健康そうに見える場合でも、栄養失調と診断されてしまう可能性は十分にあります。
栄養失調は主に、エネルギー量とたんぱく質量の不足が原因で起こりますが、近年ではビタミンやミネラルなどの微量栄養素が不足することで症状が見られる「新型栄養失調」に当てはまる人が増えています。
新型栄養失調と診断される人は、標準体型であったり、肥満の場合も少なくありません。自分は大丈夫と思っていても、いざ栄養失調と診断された場合のために、どのような治療法があるのかということを知っておきましょう。
栄養失調の治療方法
栄養失調の治療法は原因や、どの栄養素が不足しているかによって異なります。
代表的ないくつかのパターンについてそれぞれ説明していきます。
食事摂取量の少ない高齢者
慢性的に栄養不足の状態にあり、体の機能を維持するための栄養素やエネルギー量が欠乏している状態が見られます。
炭水化物・たんぱく質・脂質の3大栄養素を基本とし、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素のバランスにも配慮しながら食事をとることが大切です。
しかし、ほとんどの人が加齢とともに食事摂取量が減少したり、体の機能的な問題で食事を自分で準備することも難しくなる場合もあります。
家族や周囲の人がサポートしながら、栄養状態の維持・改善のために協力する必要があります。
極端なダイエットを行なっている女性
特に若い女性に多いのが、食事の量を極端に制限したダイエットによる栄養失調です。
「炭水化物は太る」というイメージを抱いて制限していることが多いので、まずは偏ったイメージを払拭し、食事の大切さや正しいダイエットについて理解することから始めます。
3大栄養素の配分に気を付け、ビタミンやミネラルを不足しないように野菜や海藻類・乳製品を積極的にとっていくことが大切です。
偏った食事傾向にある子供
栄養バランスの偏った食事は子供達だけに起きている問題ではありませんが、子ども自身にはそのような食事を改善していく力はないため、周りの大人がしっかりと食事の管理をしてあげる必要があります。
共働きの家庭が増え、時短のために外食やファーストフード、コンビニのお弁当などの利用が増えています。しかし、そのような食事は脂質の摂り過ぎ、ビタミン・ミネラル不足、そして添加物の摂取に繋がります。時間があるときには、主食(ご飯)、主菜(肉や魚のおかず)、副菜(野菜のおかず)の揃った手作りの食事を準備できるように努めましょう。
また、子供は大人の生活習慣に大きく影響を受けますので、私たちも手本となるような食生活を送れるようにすることが理想です。
バランス良く食事をするポイント

基本的なことを毎日続けていくのはとても難しく大変なことかもしれません。
ですが、バランスの良い食事をするための目安として以下のような指標がありますので、是非参考にしてみてください。
- 主食・主菜・副菜の揃った食事をしよう
- 一汁三菜を意識しよう
- 1日30品目を目標に色々な食品をとろう
- 「まごわやさしい」食事を
順に、「豆・ゴマ・わかめ・野菜・魚・しいたけ・芋」といった、昔から日本でおなじみの食材をとり入れることで、自然と食事のバランスが整い、生活習慣予防・コレステロールの低下・免疫力強化に繋がるといわれています。
まとめ
栄養失調は今や、貧しい家庭や高齢者だけに起こるものではなく、誰にでも起こりうる問題です。
3食食事をとっているからといっても、栄養バランスに配慮された食事ができていないことで栄養失調と診断されることもあります。
普段から食事の基本のポイントを意識し、幅広い栄養素を摂取することで栄養失調の状態となることを予防できますので是非実践してみてくださいね。