子供は熱を出したときや、嘔吐・下痢のときなどに脱水になりやすいです。脱水になった場合に大切なことは、脱水であることを早く認識して、対応することです。
「この子、もしかして脱水かも?」と思ったときは、まずは「子供の脱水症状に要注意! 5つのサインとは?」を読んでチェックしてみてください。全く水分を摂れないときには医療機関を受診する必要がありますが、そうなる前に対応することが重要です。
ここでは、脱水になった場合に自宅でできる対応を述べたいと思います。お子さんがなかなか水分を摂れないときなどに参考にしていただければと思います。

目次

どのくらいの水分が必要なの?

一般的に、大人では、24時間に体重1kg当たり50ml程度の水分が必要と言われています。子供では、年齢によって違いはありますが、24時間に体重1kg当たり80~100ml程度の水分が必要といわれています(幼いほど多くの水分が必要です)。ですので、体重が10kgであれば1日1000ml程度、20kgであれば1日1500ml程度の水分は必要となります。これは、あくまで普段の生活しているときに必要な水分量で、嘔吐・下痢がみられる場合や発熱している時には、より多くの水分が必要となります。お子さんの体重に合わせて計算して、一つの目安にしてみてください。

自宅でできる対応について

カップを持つ赤ちゃん

何を飲ませたらいいの?

子供の脱水症状に要注意! 5つのサインとは?」でも述べたように、脱水の時には水分だけでなく、ミネラルも必要になります。食事が摂れているうちは水だけでも十分ですが、発熱や嘔吐の影響で食事が摂れない時には飲むものも考える必要があります。

最も推奨されているのは、市販されている経口補水液(けいこうほすいえき、OS-1)と呼ばれるものです。経口補水液はミネラルを含んでいるだけでなく、エネルギーとなる糖分も適量含んでおり、また体に吸収されやすいように浸透圧が調整されています。経口補水液は自宅でも作ることができます。

水1L+砂糖 約27g(大さじ3杯)+塩 3g(小さじ0.5杯)を混ぜれば自作することも可能です(レモンなどの果汁を足すと飲みやすくなるかもしれません)。

経口補水液でなければイオン水、薄めた味噌汁・スープでも構いません。1種類だけでなく、いくつかの種類のものをあげるようにしましょう。また、牛乳は消化の負担になるので避けた方がいいでしょう。

2.どのくらい飲ませたらいいの?

少ない量を、何回かに分けて飲む」 のが基本です。なかなか飲めなければ、スプーンから始めます。スプーン1杯飲めたら、5~10分してからもう1杯飲む。1杯飲んで吐かなければ、スプーン2杯に増やすというようにしていきます。5~10mlを5~10分おきに飲めば、1時間に50~120ml飲めることになります。このように、少ない量を何回かに分けて飲むようにしましょう。

授乳中でも同様です。1回の授乳時間を短くして、回数で補うようにしましょう。

3.病院を受診して点滴をしてもらった方がいい?

米国の疾病管理予防センター(CDC)は子供の胃腸炎による脱水の治療として、軽度~中等度であれば経口補水による治療を推奨しています。口から水分を摂れるのであれば、その方が点滴よりも治りが早いともいわれています。

胃腸炎の時に吐きやすいのは初めの2日くらいです。吐いた後は喉が乾くので、多く飲もうとしますが、一度に沢山飲むと吐いてしまいます。少し時間をおいてから、少しずつ水分はあげるようにしましょう。

また、熱が出ているときに、なかなか水分が摂れなければ解熱薬を使用して、熱を少し下げてあげてから水分をあげてください。

スプーンでも水分が摂れない、尿の出が少ない、顔色が悪い、ぐったりしてきた場合などには医療機関を受診しましょう。

まとめ

熱が出たときや嘔吐・下痢のときには脱水が心配になります。脱水のサインを見逃さずに、素早く対応できれば、脱水が進行することなく回復に向かうでしょう。脱水に対しては自宅でもできることも多くありますので、子供が発熱したとき、嘔吐・下痢をしたときなどに、安心して対応できるようになるための手助けになればと思います。