水分補給、ちゃんとしていますか?人間の身体は6割が水分からできており、水分が足りなくなると様々な不調が起こります。脱水症は、最悪の場合死にいたることもある症状です。もしも脱水症になってしまったらどうすればいいのでしょうか?
脱水症の初期症状
脱水症では、目まいやふらつき、頭痛などの症状がみられます。重度になると、嘔吐や意識障害、けいれんといった症状も出ますが、そうなる前に治療を行うことが必要です。
脱水症を起こす前に、なんとなく体調が優れないと感じることがあります。夏バテや二日酔いのように掴みようのない体調不良のため、「これが脱水症だ」と感じることは難しいとは思いますが、少なくとも喉が渇いたなと思ったら水分とミネラルをとるようにしましょう。
脱水症の症状については、「子供・高齢者は特に注意!水分不足・脱水症の初期症状と予防方法」もご覧ください。
脱水症だなと思ったら、適切な水分補給を
ここで紹介するのは、軽度の脱水症の場合の対処法です。嘔吐・意識障害など重度の症状が現れた場合は、速やかに医師の診察を受けるようにしてください。
水分不足による目まいなどの症状が現れたら、経口補水液で水分を体内に補給しましょう。
経口補水液は薬局で購入できますが、自宅で作ることも可能です。自分で作る場合は、1リットルの水に小さじ半分(3g)の食塩と大さじ4杯(40g)の砂糖を溶かします。お好みに応じてレモンやグレープフルーツなどの果汁を加えると、飲みやすくなるだけでなく、汗によって出て行ってしまったカリウムの補給にもなります。
脱水症を起こした体は、弱った状態です。水分補給をする時は、負担をかけないように、冷やさずゆっくり飲ませるようにしましょう。
また、経口補水液は薬そのものというわけではありませんが、点滴に使われる輸液とほぼ同じで、体への影響が大きいものです。心臓病・腎臓病・高血圧などで塩分の摂取を制限している場合、薬でコントロールされているミネラルのバランスを経口補水液が乱してしまう場合があります。これらの場合、まずはかかりつけの医師に相談してください。
軽度の脱水症の場合、4時間以内に体重1kgあたり30~50ml、中等度の場合は体重1kgあたり100 mlの経口補水液を飲ませます。さらに、嘔吐がなければ、下痢をするごとに体重1kgあたり10ミリリットルの経口補水液を飲ませましょう。嘔吐した場合は目分量で嘔吐したのと同じくらいの経口補水液を飲ませてください。
意識がない場合は口から飲ませることはせず、病院で点滴などの処置を受けてください。
赤ちゃんの脱水症状の場合は?
赤ちゃんは、身体の7~8割を水分が占めます。そのため、大人以上に脱水症を起こしやすいといえます。特に、下痢を起こした時には注意が必要です。
赤ちゃんの脱水症のサインには、以下のようなものがあります。
- 顔色が悪くなる
- 不機嫌
- またはぼんやりしていて眠りがち
- 体重が急に減った
- 皮膚のしわやたるみが目立つ
- 目が落ち窪んでいる
- 皮膚や口、舌が乾燥している
- 泣いても涙が出ない
- 尿が減る、または尿の色が非常に濃い
このようなサインが見られた場合は、乳幼児用のイオン飲料を与えてください。はじめは何回かに分けて少量の水分を与え、嘔吐や下痢が治まったら与える水分の量を徐々に増やしていきましょう。
口から飲ませても嘔吐してしまう場合や、症状がよくならない場合には、早めに小児科医に相談してください。
高齢者は脱水症に気づきにくい!
お年寄りは、体内の5割が水分です。これは通常の成人よりも少ないため、普段より多く汗をかくだけでも脱水症の原因になることがあります。水分が不足していると、食欲不振から食事量が減少、さらに脱水症が進行という負のスパイラルに陥りがちです。
特に認知症の患者さんの場合、自律神経の働きが悪くなっていますので、脱水症を起こしやすいといえます。しかも、判断力が低下しているので自分では脱水症だと気付くことができません。周囲の人がこまめに気を配ってあげましょう。
高齢者が脱水症を起こしていないか判断するには、以下をチェックしてみてください。
- 脇の下が乾いている
- 口の中や唇が乾燥している
- 親指の爪をギュと強く白くなるまで押し、離しても元のピンク色に戻らない
- 腕の皮膚を持ち上げて放した時に、シワができたままになっている
高齢者の脱水は、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になることがあります。このような症状が見られたら、経口補水液やスポーツドリンクをすぐに飲むようにしてください。
まとめ
脱水症の症状が見られたらどうすれば良いかと、高齢者・新生児の脱水症の気付き方について説明しました。重症化した場合は病院で処置を受ける必要がありますが、基本的には少しずつでも水分を取れば自分で対応することができます。ただし、脱水症は予防が何よりも肝心です。「汗をかいていないから大丈夫」ではなく、定期的に水分をとることを忘れないようにしてくださいね。