立ち仕事が多い方やスポーツをする方で、足の痛みを感じる方は少なくないかもしれません。
特に足の裏に痛みを感じた場合、足底腱膜炎(足底筋膜炎)になっている可能性があります。
この記事では足底腱膜炎の症状や原因について説明していきます。
そもそも「足底腱膜」って?
私たちの足は、指、土踏まず、かかとなどで構成されています。
足の骨同士は靭帯でつながっており、筋肉や腱、足底腱膜で補強されています。
足底腱膜は足の指の付け根からかかとにかけて、足の裏に膜を張っている組織で、足のアーチを形作っています。足のアーチはバネのように働き、足が地面に着地したときの衝撃を受け止めたり、効率よく歩行するために役立ちます。このアーチは足根骨、足底靭帯そして足底腱膜によって支えられます。
足底腱膜炎(足底筋膜炎)とは
足底腱膜が何らかの原因で炎症を起こした状態を足底腱膜炎と呼びます。
足底腱膜が踵骨に付着している部分は小さい面積で全体重を支えているため、負担のかかりやすい部分でもあります。この部位に繰り返し牽引力が加わることで、かかとの骨と足底腱膜の付着部に小さな亀裂が生じたり、変性が起こったりすることで痛みが生じていると考えられています。
経過が長い場合には、足底腱膜が踵骨に付着する部分に骨棘(小さい骨のでっぱり)ができることがあります。また、ときには足底腱膜に石灰化(血液中のカルシウムが付着)がおこり、レントゲンで骨のように白い像が見られることもあります。
痛みはかかとの内側前方に生じます。
朝起きて最初の一歩目など、長時間安静にしていたあとで体重をかけると強い痛みを感じます。
どんな原因で起こる?
足底腱膜炎になる代表的な原因として
- 長時間の立ち仕事や歩行
- 体重の増加
- 合わない靴を履いている
- スポーツ
などがあげられます。
ただでさえ負担のかかりやすい足底腱膜ですが、ハイヒールや安全靴、つま先立ち、階段を上る動作では足底腱膜が強く引っ張られ、炎症を起こしやすくなります。
この場合、日常生活で階段を避けることは難しいかもしれませんが、かかとの低い靴を履く、クッション性の良い靴をはくなど、負担をかけない靴選びが大切です。病院にかかり足底板(足の裏の形に合わせて作る靴の中敷きで、土踏まずの場所が盛り上がっているため、足底腱膜への負担を軽減します)を作成してもらうのもよいでしょう。症状がひどい場合には痛みのある部位に炎症止めの局所注射を行うこともあります。
スポーツの中でも、陸上競技やバスケットボールなどランニングやジャンプの多い競技による着地の時の衝撃が大きな負担になります。
また、足の使いすぎだけではなく
- 足の筋力低下
- 足首が固い(柔軟性がない)
- 偏平足
といった要素で、足底腱膜炎になりやすくなると言われています。
まとめ
普段の生活も、痛みがあるとそれだけで苦痛になってしまいますよね。
足底腱膜炎を疑ったら、つらくなる前に一度、整形外科の受診をおすすめします。