肘部管症候群になると手にしびれや痛みが出現し、ひどくなると指が動きにくくなってしまいます。日常生活に支障が出ないよう治療することをオススメしますが、この病気に対して、病院ではどのような治療が行われるのでしょうか?
肘部管症候群の治療について説明していきます。
肘部管症候群の概要については「小指のしびれがサイン!肘部管症候群の症状と原因とは?」をご覧ください。
肘部管症候群の治療にはまず安静を
肘部管症候群と診断された場合、まず安静でしびれや痛みが改善するか試みます。
なるべく肘を曲げないようにし、寝ている時に腕が圧迫されないよう、眠る姿勢にも気を付けます。細かい生活習慣の改善で肘の圧迫を減らします。
事故や頬杖など、骨の異常ではなく外部からの圧力で一時的に手がしびれていることもあるため、安静を心掛けることで時間が経てば快方に向かいます。
安静で経過を見る際に、しびれや痛みの症状を和らげる目的で、湿布や塗り薬などの外用薬、飲み薬を併用することもあります。ビタミンB12が神経の回復を促すために有効とされています。
手術の場合は…
前述の治療でも改善されない、むしろ症状が悪化しているような場合には手術が選択されます。
具体的にどのような手術をするのかは、神経を障害している原因によりますが、肘の内側を少し切開し、尺骨神経を絞扼している場所を解放したり、圧迫している原因(ガングリオンなど)を取り除いたり、尺骨神経を圧迫を受けない場所に移動させたりします。
骨が神経を圧迫している場合は骨を削ることもあります。手術自体はおおむね一時間程度で終わることがほとんどです。
まとめ
手術になるかも、と思うと病院に行くのをためらいがちですが、麻痺が進行する前に医療機関を受診し治療することが大切です。麻痺が軽度のうちに治療をすれば、安静と服薬だけで済むことがほとんどです。また、万が一進行して手術になっても比較的短時間で終わります。つらい症状に悩むのではなく、一度お近くの整形外科で医師と相談してみるとよいでしょう。