小指がしびれている、薬指や小指が曲がったまま伸びないなどの症状がある場合、もしかしたら肘部管症候群の可能性があります。よく使う手ですから、痛みやしびれがあっては使いにくいですよね。ここでは、しびれや手がうまく使えないといった症状が出る肘部管症候群について説明します。

目次

肘部管症候群とは

肘部管症候群とは

私たちの肘は、上腕骨・橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)の3つの骨と周辺の筋肉や腱が合わさってできています。肘があることで、手首を回したり物を持ち上げたりといった行動がスムーズにできるようになっています。この肘の内側には尺骨神経という神経が走っており、この神経が障害されると手の細かい動作ができにくくなったり、感覚が鈍くなったりします。肘部管症候群とは、この尺骨神経が障害され、さまざまな症状が出る病気です。

肘-写真

どんな症状がでるの?

肘部管症候群の初期症状は、薬指と小指のしびれです。ひどくなると感覚が鈍くなったり、指がまっすぐ伸ばせなくなったりするので日常生活にもお箸を持ちづらい等の影響が出ます。こういった症状は肘を曲げた時に強く出ることが多く、さらに病状が進行すると手の筋肉が落ちるため、手が痩せて力が入らなくなることもあります。

原因はなにか

肘部管症候群のおおもとの原因は尺骨神経が圧迫されたり伸ばされたりすることです。最も多い原因は、幼少期の肘の骨折(上腕骨外側顆骨折)後の偽関節などによる外反肘(肘が外側に変形)のために生じるものです。関節リウマチや加齢に伴う関節の変形、ガングリオンなどの腫瘤、野球や柔道などの手をよく使うスポーツや頬杖をつくことでも、神経が障害されることがあります。

診断方法は?

肘部管症候群の特徴として、肘の内側を軽く叩いてみると、薬指と小指にしびれが走ります。
また病院ではレントゲンを撮って、肘の変形がないか関節の隙間が狭くなっていないかなど見ることがあります。

最後に…治療は安静が基本

肘部管症候群は誰しもがなり得るものです。治療方法も安静が原則ですが、それでも改善がない場合には手術をすることもあります。治療には、整形外科の受診をおすすめします。