ガングリオンは良性の腫瘤ですが、しこりが本当にガングリオンであるかどうかの診断は重要です。ガングリオンの診断のためにはどのような検査があり、そしてどのような治療法があるのでしょう。症状によっては手術が必要なのでしょうか?ガングリオンの治療法についてまとめてみました。

ガングリオンの原因や症状については「手首・足首にしこりがある方、もしかしたらガングリオンかも」をご参照ください。

目次

ガングリオンの診断に必要な検査とは?

注射による吸引

注射器についた針をガングリオンに刺し、中にあるものを吸引します。中身がゼリー状のものであれば、ほぼガングリオンと診断されます。注射と同じなので、痛みを伴います

MRI:磁気共鳴画像診断装置

ガングリオンが小さく、注射の針では中身を吸うことができない場合や、注射での診断を確実なものにするためにMRI検査が行われます。ガングリオンの中の状態や、大きさ、深さがどれぐらいあるのかを調べます。大きな機械なので不安になるかもしれませんが、特に痛みはありません。

超音波検査

超音波検査はMRIに比べ、簡単にできる検査です。ガングリオンのような腫瘤の中を調べるのに適しています。痛みはありません

ガングリオンは治療が必要?

悩む女性

ガングリオンは良性の腫瘤であり、小さくて症状がないものであれば治療の必要はありません。大きい、痛みがある、しびれや運動麻痺が起こっている場合は、ガングリオンを小さくするもしくは取り除く治療が必要となります。また、症状はなくても見た目が気になる、という場合も医師と相談の上で同じ治療をすることになるでしょう。

ガングリオンの治療法とは?

保存療法

注射による吸引

検査と同じで、ガングリオンの中身を注射器で吸引します。この方法を繰り返すことでガングリオンが消えてなくなってしまう場合も多いです。しかし、ガングリオンの袋が残っている状態なので、再発する可能性があります。医師によっては吸引後のガングリオンの中にステロイド薬を注入することもあります。

押し潰す

圧挫(あつざ)といって、ガングリオンを圧迫して潰してしまう方法です。ニキビで例えるとわかりやすいかもしれません。注射器の方法とは違い、ガングリオンを潰して中身を出します。しかし、この方法もガングリオンの袋が残った状態であるため、再発の可能性が残ります。また、潰れないケースや処置には痛みを伴うケースもあるため現在ではあまり行われておりません。

内服薬

痛みがある場合には消炎鎮痛剤を内服し、痛みを和らげる治療法があります。これらの薬には胃を悪くしたり、免疫力を低下させたりする副作用を伴うこともあります。症状に合わせて、医師と相談しながら服用するようにしましょう。

手術療法

麻酔をしてガングリオンを摘出する方法です。保存療法と違い、袋を取り除く治療です。再発の可能性は保存療法に比べて低くなりますが、奥深いガングリオンであれば全てを取り除くことは難しく、再発の可能性が残ります。

ガングリオンの手術をするのはどんなとき?

ガングリオンは良性の腫瘤ということもあり、積極的に手術を行わない医師もいます。しかし、保存療法で効果がなく再発を繰り返す場合や、痛みが強い、しびれや運動麻痺などの症状がある場合は手術に進みます

手術はガングリオンの部位と深さに合わせて、適切な麻酔下で行われます。

まとめ

ガングリオンかもしれないと思ったら、病院で検査を受けましょう。まずは診断してもらうことが大切です。症状がなく、日常生活において問題がなければ治療をする必要はありません。症状がある場合は保存的な治療から行うことがほとんどです。それでも効果がない場合や、症状がひどい場合に手術が行われます。

しかし、ガングリオン自体は良性の腫瘤であり、絶対に取り除かなければならないものではありません。治療法に関しては、医師としっかり相談をして決めましょう。