最近、がん闘病中であることを告白したり、がんで亡くなった芸能人や有名人のニュースが増えていますね。
特に、若い人のがんが増えてきた印象を受けます。
実際に、がん患者は年々増えています。
現在、一生涯で日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡するといわれています。
一般的に、がんは60歳以上の高齢者に多く発症しますが、40歳をすぎるとがんになる可能性が高くなります。また、少ないですが、20代や30代でもがんにかかることがあります。
ただし、がんになりやすいかどうかは、個人差があります。
がんは色々な臓器(部位)から発生しますが、ほとんどのがんでは危険因子が報告されており、がんにかかりやすい人の特徴や生活習慣などが分っています。
がん検診についてはいろいろと議論のあるところですが、やはり40歳以上の人(特に、がんの危険因子を持っている人)は、毎年、がん検診や人間ドック(あるいはがんドック)でがんのチェックをするのが理想です。
今回は、がん早期発見の重要性と代表的ながんの危険因子について解説します。
がん早期発見の重要性
がんは「怖い病気、死ぬ病気」であるという先入観が強く、がん検診自体も「がんが見つかったら怖いから」という理由で受けない人もいるようです。
しかし、がんは早期に発見できれば治る可能性が高い病気です。
国立がん研究センターの調査によると、ステージI(一番早い段階)で発見された場合、5年生存率(がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合)は、
- 胃がん 97%
- 大腸がん 99%
- 乳がん(女性) 99%
- 前立腺がん 100%
となっています。
つまり、早期に発見された場合、多くのがんが治る(あるいは、がんで死なない)ということを示しています。
がんの危険因子(どんな人がなりやすいか?)
ではどんな人ががんになりやすいのでしょうか?
がんの種類(臓器)別に見ていきます。
乳がん
- 初経年齢が早い人
- 閉経年齢が遅い人
- 妊娠・出産経験がない人
- 初産年齢が遅い人(高齢出産)
- 授乳歴がない人
- 経口避妊薬(ピル)を服用している人
- 高身長の人
- 閉経後に肥満となった人
- 飲酒習慣のある人
- 乳がんの家族歴がある人(母親または子)
肺がん
- 喫煙習慣のある人
- 家族や周りの人が喫煙する人(授動喫煙)
食道がん
- 喫煙習慣のある人
- 飲酒習慣のある人
- 肥満の人
- 熱い飲み物・食べ物を摂る習慣のある人
胃がん
- ヘリコバクター・ピロリに感染している人
- 塩分の多い食事を摂っている人
- 喫煙習慣のある人
大腸がん
- 親や兄弟(姉妹)に大腸がんの人がいる人
- 肥満・高身長の人
- 飲酒習慣のある人
- 加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージ)や赤身の肉をよく食べる人
肝臓がん
- 肝炎ウイルスに感染している人
- 喫煙習慣のある人
- 飲酒習慣のある人
- 肥満体型の人
- 脂肪肝の人
胆のう胆管がん
- 女性で肥満体型の人
- 胆石のある人(胆のうがん)
- 潰瘍性大腸炎、クローン病の人
- 原発性硬化性胆管炎の人
- 膵胆管合流異常(すいたんかんごうりゅういじょう)の人
膵臓がん
- 親や兄弟(姉妹)に膵臓がんの人がいる人
- 糖尿病の人
- 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)や膵のうほうのある人
- 慢性膵炎の人
- 肥満体型の人
- 喫煙習慣のある人
- 大量飲酒の習慣のある人
子宮頸(けい)がん
- ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染がある人
- 低年齢での性体験がある人
- 性的パートナーが多い人
- 多産の人
- HPV以外の性行為感染症に感染している人
子宮体がん
- 閉経年齢が遅い人
- 出産歴がない人
- 肥満の人
卵巣がん
- 家族に卵巣がんの人がいる人
前立腺がん
- 家族に前立腺がんの人がいる人
以上です。
上記の様な危険因子に当てはまる人は、がん検診、がんドックや人間ドックを受けることをおすすめします。
ちなみに、胃がん(40歳以上、年1回)、子宮頸がん(20歳以上、2年に1回)、肺がん(40歳以上、年1回)、乳がん(40歳以上、2年に1回)、大腸がん(40歳以上、年1回)に関しては、市町村によるがん検診があります(以下)。

他のがんに関しては、ご自身でがんドックや人間ドックを受けて頂く必要があります。「まずは検診を受けてみよう」と思った方は、是非人間ドックを予約してみてください(人間ドックのここカラダのページが開きます)。