今やどんどん患者が増加傾向にあるといわれているドライマウス。たとえ今それほど自覚がないとしても決して他人事ではありません。正しいドライマウスに関する知識と対策法を知っておけば、辛い症状をできるだけ回避することも可能です。ここでは、ドライマウスに対するセルフケアの方法を中心に解説します。

目次

ドライマウスの予防方法を教えて!

①ストレスを溜めない

ストレスは生きていれば誰しも感じることはありますが、ずっとストレスで緊張状態だと、唾液はなかなか出てきません。一日の中で少しでも自分の好きなことをするようにしてリラックスする時間を持ちましょう。

②食べるときはよく噛む

あまり噛まなくても食べられるようなものばかり食べず、乾物や根菜などよく噛まないと飲み込めないようなものもなるべく食事に取り入れるようにしましょう。

食事以外のときもできればキシリトールの入ったガムや、酢昆布などを噛むと効果的に唾液が出ます。厚生労働省では一口当たり30回噛むことを推奨しています。

③正しい食習慣を心がける

無理なダイエットや、朝食抜きなどはやめましょう。食事を摂らないと唾液はますます出なくなります。特に朝食べないと就寝中に唾液が減ったままの状態が続き、口の中が乾燥している時間が非常に長くなってしまいます。

④規則正しい生活をする

不規則な生活をしていると自律神経が乱れ、唾液の分泌に悪い影響を及ぼします。

⑤部屋を乾燥させすぎない

エアコンの普及で夏も部屋の中は乾燥しがちです。加湿器をうまく用いて部屋の乾燥のしすぎに気をつけましょう。

⑥唾液腺の分泌を促すマッサージをする

唾液を分泌する唾液腺には、耳の手前にある耳下腺、舌の下にある舌下腺、下顎の下にある顎下腺があります。

耳下腺: 耳の手前を指で後ろから手前に向かって円を描くように

顎下腺: 下顎の骨の内側を耳の下から顎の中央部まで5か所くらいをそっと押す

舌下腺: 下顎の真下から下を上に突き上げるようにグッと押す

このようにマッサージしてみましょう。

⑦アルコール、喫煙を控える

特に夜寝る前の飲酒は、就寝時の口腔乾燥を引き起こし、細菌増殖する格好の場になります。飲み過ぎには気をつけましょう。喫煙は特に口の中の環境にとっては百害あって一利なし、です。できたら禁煙しましょう。

セルフケアでなかなか改善しない場合には…

ドクター

服用中の薬の副作用、全身疾患の一症状として出ている場合、また口呼吸が原因の場合は、セルフケアだけでは改善しないでしょう。ドライマウスは歯科が窓口となり、診断・治療を行いますが、この場合は歯科と医科との連携で治療を進めていく必要があります。

歯科では具体的にどのような治療をするの?

歯科では対症療法として、人工唾液、保湿ジェル、うがい薬、トローチによるもの、また、唾液分泌を促進する薬の投与や筋機能療法などを行います。

まとめ

ドライマウスは、治療法の確立されていない症候群であり、患者さん自身もなぜそういう症状が出ているのか気づいていないことも多いようです。上で記したセルフケアの方法を実践することで唾液の分泌量が増え、大幅に改善することも多いそうです。ドライマウスという軽い言葉の響きの割には生活に支障が出るほどの辛い症状が多いこの症候群、なかなか改善がみられない場合は何か病気が隠れている可能性もありますので、ぜひ歯科医院を受診してみてください。