喋ったり舌で触ったりすると、また食べ物や飲み物で口の中の粘膜や舌がいちいちしみるようになった!なんてこと誰でも経験があると思います。

その場合口内炎がまず第一に疑われますが、ここでは口内炎の種類、またそのチェックポイント、放置しても大丈夫なのか?ということについて解説します。

目次

口内炎ってどんなものがあるの?

口内炎とひとくちに言っても実はいくつか種類があります。代表的なのはアフタ性口内炎、カタル性口内炎、ヘルペス性口内炎、カンジダ性口内炎です。

口内炎のチェックポイント

アフタ性口内炎

一番よくみられるタイプの口内炎です。一個または複数同時にできることもあります。話したり飲食による接触刺激で強い痛みを感じます。

通常は1cm未満の境界がはっきりした白い潰瘍、その周りが赤く盛り上がっています。ごく初期の頃は白い潰瘍部分が目立たないことがあります。通常1~2週間で自然に治癒します。

カタル性口内炎

歯周病、入れ歯の不適合などに伴い、口の中の衛生状態の悪い時に起こりやすいといわれています。やけどでできる炎症もこれに含まれます。

アフタ性口内炎のようにはっきりした境界がなく赤くただれたようになっています。口の中がざらざらしたようになり、ひりひりする感じで痛みは一般的にはそれほどでもありませんが、味覚が鈍くなったり、慢性期になると口臭を伴うこともあります。

ウイルス性口内炎

ウイルスが原因で起こるものにはヘルペス性口内炎、手足口病、ヘルパンギーナがあります。ヘルペス性口内炎は単純ヘルペスウイルスによる初感染で起こり、生後6カ月以降から3歳までのの乳幼児に多く、口の中に小さな水疱の集まりができ、それが破れて口内炎の症状がでます。唇や口の周りなどにも発疹が見られます。

他に、発熱、リンパ節の腫れ、食欲低下、また口の中の痛みにより食べ物・飲み物を受け付けなくなったりします。また口臭も強くなります。

手足口病においても口の中に水疱ができ、それが破れてアフタ性口内炎のようになりますが症状は比較的軽くで済みます。そして名前の通り、手や足にも小水疱ができます。

ヘルパンギーナにおいては口の喉に近い部位に多数の小水疱ができ、それが破れてアフタ性口内炎のようになります。ヘルペス性口内炎が口の前方にできるのに対し、こちらは後方にできるのが特徴です。

カンジダ性口内炎

免疫力の落ちた高齢者や乳幼児に起こりやすく、口の中に常在するカンジダ菌というカビの一種によって引き起こされます。普段はある程度以上には菌数が増えないように他の菌と共存していますが、ステロイド剤や抗生剤の投与、免疫が低下している状態、糖尿病などにより常在菌の間のバランスが崩れるとカンジダ菌が異常に増殖して起こります。

口の中に白い苔のようなものが付着しガーゼなどで拭い取ることができますが、その下の粘膜は赤く炎症を起こしたようになっています。ひりひりするような痛みを伴います。

口内炎は放って置いても大丈夫?

たいていの場合はアフタ性口内炎ですので、放って置いても1~2週間で自然に治ります。しかし、体の他の症状を併発している、口内炎が2週間以上たっても治らない、数が異常に多い、同じところに何度も繰り返すというような場合には医師または歯科医師に相談しましょう。ただの口内炎だと思っていたら実は違う病気だった…という場合も中にはあるのです。

例としては口腔がんや、口内炎が全身疾患の一症状として現われるベーチェット病、尋常性天疱瘡、類天疱瘡などがあります。

おわりに

とても身近な病気、口内炎ですが以上のチェックポイントを少しでも覚えておけばいざというときに慌てないで済みますね。おかしいと思ったときは自己判断をせず、医師・歯科医師の診断を仰ぎましょう。