漢方は試してみたいけどほんとうに効くのかわからない、色んな種類があるためどれを服用してよいのかわからないといった方は多いと思います。

けれど最近では「ナイシトール」や「コッコアポ」など、薬の中身が実は漢方であったりするものも多くなってきました。つまり、知らないうちに漢方を服用している方も多いのです。

そこで今回は女性によくある悩みを解消してくれる漢方「当帰芍薬散」について詳しく見ていきたいと思います。

目次

「当帰芍薬散」ってどんな薬?

当帰芍薬散は「とうきしゃくやくさん」と読み、色々な生薬が配合された漢方薬で、主に冷え性や、生理不順がある方、または更年期障害不妊症などにもよく用いられます。

病院で処方されることもありますが、ドラッグストアでも販売されており、好みによって錠剤散剤なども選ぶことができます。

当帰芍薬散の中に配合されている生薬は

  • 当帰(とうき)
  • 川芎(せんきゅう)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 白朮(びゃくじゅつ)もしくは蒼朮(そうじゅつ)
  • 沢瀉(たくしゃ)
  • 芍薬(しゃくやく)

があります。

「当帰芍薬散」の効き目は?

脚を揉む女性-写真

それでは、具体的な効能効果について詳しく見ていきましょう。

月経困難症

月経困難症とは生理不順生理痛などのことで、漢方の「血(けつ)」といわれる全身の組織などに栄養を与えるものが滞っている状態、足りていない状態が引き起こすといわれています。また、そのような状態を「瘀血(おけつ)」といいます。

そこで当帰芍薬散が全身に栄養を行き届かせて血行を促進させたり、余分な水分を取り除いたりします。瘀血の状態を改善して血行を促進させるのと同時に、利尿作用で余分な水分を除いて、生理不順や月経痛などを改善するのです。

冷え性

冷え性といっても原因は色々とありますが、この当帰芍薬散が用いられるのは上記でもお伝えした瘀血という血液の循環不全による場合です。めまいや、下腹部に圧痛がある場合などに用いられます。

不妊症

不妊の原因がはっきりとわからない方などに、瘀血状態を改善して妊娠しやすい母体にする効果があります。実際にラットにおける実験では排卵率が増加したり、妊娠ラットの胎盤血流、胎児体重の低下が抑制されたりするなどの結果が出ています。

その他

その他にも貧血更年期障害むくみめまい肩こりなどにも用いられており、女性向けの漢方といわれています。

「当帰芍薬散」の副作用は?

当帰芍薬散は基本的に体力がない方~ふつうの方に用いられる漢方です。当帰芍薬散の中には当帰川芎が含まれているため、胃腸障害下痢に注意が必要であり、特に胃腸の弱い方は慎重に服用するか、別の漢方に変えるなどの対策を取る必要があります。

まとめ

漢方は西洋薬とくらべて副作用が少なく、人間の本来持っている自然治癒力を高めて正常な状態へと導くものです。

漢方は症状だけではなくその人の体質からも選ぶ種類が変わってきます。当帰芍薬散は体力がない~ふつうの方に用いられる漢方ですが、同じ月経困難症においても体力のある方には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を用いるなどその人の体質で服用する漢方も変わってきます。

また副作用が少ないといっても、胃腸が弱い方には注意が必要です。わからない場合は薬剤師に聞くか、病院に行くかなどして自分にあった漢方を選ぶようにしましょう。