子供は転んだり、何かにぶつかったりして、よく頭を打ちます。その時にできることがある「たんこぶ」ですが、たんこぶができた時にはどうしていますか? たんこぶがどういうもので、どういった時に注意すべきかご存知ですか? ここではたんこぶができた時の処置についてと、注意すべき症状について解説します。

目次

たんこぶについて

たんこぶは(頭部)皮下血腫といいます。頭をぶつけたことで、頭の皮膚と頭の骨の間で血管が切れて出血したものです。

頭を覆っている皮膚・皮下組織は血流が豊富で、皮膚が張っている部位になるので出血しやすくなっています。

軽くぶつけた程度ではたんこぶはできないので、たんこぶができたということはそれなりの力が加わったことを意味します。

頭をぶつけた時には後々必要になることがあるので、「いつぶつけたのか」「どこでぶつけたのか」「何に(何と)ぶつけたのか」「どのようにぶつけたのか(高さなど)」などを確認しておきましょう。

注意すべきたんこぶ

たんこぶができた場合にはそれなりの力が加わったことを意味し、たんこぶが大きければ大きいほど、強い力が加わったことになるので注意が必要です。

また、一般的なたんこぶは硬いです(皮下血腫)。しかし、硬くなくブヨブヨとしたたんこぶができることがあります。ブヨブヨとしたたんこぶは、頭の骨(頭蓋骨)を覆っている膜(帽状腱膜 ぼうじょうけんまく)と頭の骨との間に血液が貯まったもので、帽状腱膜下血腫(ぼうじょうけんまくかけっしゅ)と言います。帽状腱膜下血腫の場合、通常のたんこぶよりも深いところから出血したということであり、より強い力が加わったことになります。そのため、ブヨブヨしたたんこぶができた時も注意が必要です。

たんこぶ以外の症状について

頭をおさえる男の子-写真

たんこぶができた時に注意すべき症状があります。

まずは傷です。たんこぶができるような力が加わった時には打った場所に傷ができることがあります。頭部の血流は豊富で、出血が多量になったり、持続したりすることもあります。傷が大きい時や出血が続くような時には医療機関(脳神経外科あるいは救急外来)を受診しましょう。受診した際には受傷した時間や状況を伝えるようにしましょう。

たんこぶができた時(特に帽状腱膜下血腫の場合)に、打った場所が凹むことがあります。その場合には、頭の骨が折れている可能性や脳が何らかの損傷を受けている可能性もあり、詳しい検査が必要です。

頭をぶつけた後に数回吐くことがあります。数回吐いた後に普段と全く変わらなければ大きな心配はいりませんが、嘔吐が続く場合には注意が必要です。

他にも、普段見ている両親などから見ていつもと違う場合けいれんを認める場合身長の倍の高さから転落して受傷した場合、手足が動かないなどの症状にも脳への損傷が疑われますので、その際は速やかに受診してください。

たんこぶの正しい処置について

出血がないあるいは止まっていて、硬いたんこぶの場合はしばらく安静にして様子をみましょう。たんこぶの場所は冷たいタオルやタオルでくるんだ保冷剤などを当てましょう。保冷剤を直接当てると冷やしすぎることがあるので避けるようにしましょう。長時間当て続けることも冷やしすぎることがあるので、15~20分冷やしたら、少し間を空けてまた冷やすことを繰り返すのがいいでしょう。

たんこぶは通常、1週間程度で治ります。

まとめ

子供、特に小さい子供は、頭が大きいという体のバランスや発達途中の運動能力、大人にちょうどいい物の高さなどの影響で頭をぶつけることがよくあります。たんこぶができた場合には適切な処置が必要ですが、たんこぶができた状況を確認する必要があったり、たんこぶ以外の、脳への影響が考えられる症状にも注意が必要です。頭をぶつけた状況やぶつけた後の子供の様子、傷の程度などを落ち着いて把握することが一番大切です。