耳鳴りは何も音がなっていないはずなのに、自分にだけ音が聞こえてくる状態のことです。耳鳴りには、セミの鳴き声のようにジーンと聞こえる場合やキーンと金属音が聞こえてくる場合など様々な聞こえ方があります。今回は金属音のようにキーンとなる耳鳴りの原因についてお話しします。

目次

耳鳴りの原因は?

気圧の変化や静かな場所に入った場合などに一時的な耳鳴りがあることもあります。
しかし、注意しなければならないのは一時的な耳鳴りではなく、慢性的に続く耳鳴りです。

慢性的な耳鳴りは、音を聞くための機能のどこかが病気などにより障害されることで起こる場合が多いですが、全身疾患などの体全体の不調の影響も強く受けます。

音は振動として耳へと入っていきます。振動は内耳という部分で電気信号に変換されて、神経を通過して脳へ到達し、音として認識されます。
このメカニズムのどこかが障害されると耳鳴りが生じるとされています。

一般に内耳(ないじ)の部分の病気で生じる耳鳴りが多くを占めるとされています。

また、ストレスや疲労蓄積、加齢などによる体調変化や糖尿病や血圧異常などの全身疾患が耳鳴りを悪化させる要因となる場合があります。

なぜキーンと金属音がするの?

耳鳴りは多くの場合、難聴を伴って生じるとされています。特に内耳の病気による難聴では耳鳴りの合併は80%以上と高くなっています(慶応義塾大学病院KOMPASより)。

内耳の病気で、音を聴き取るセンサーの役割をしている細胞が傷害されることが耳鳴りの発生に関わっているとされます。

内耳の障害で難聴が起こり、高い音が聞こえなくなると、なんとか高い音を聞き取ろうと脳が過敏に反応するようになります。
そうすると普段聞こえないような高い音が耳鳴りとして聞こえてしまいます。

また、ストレスなどで些細な耳鳴りでも不快に感じてしまうと、それが脳に悪い音として認識されてしまいます。
結果として普段気にならないような「キーン」や「シーン」とする耳鳴りにも脳が過敏に認識してしまいます。

キーンと響く耳鳴りの原因となるものは?

耳をふさぐ白人女性

キーンと金属音のような音が響く耳鳴りの原因となる病気をいくつか挙げていきます。

また病気以外の原因でもキーンと耳鳴りがなることがあります。そのような耳鳴りが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.突発性難聴

突然、どちらかの耳が聞こえにくくなる病気です。耳鳴りやめまいを合併します。

内耳の障害によって起こる病気とされ、ウイルスや内耳の循環障害などの原因があるとされていますが、はっきりとして原因は解明されていません。

2.メニエール病

激しいめまいが発作的に生じる病気です。
難聴や耳鳴りを合併し、それらの症状は繰り返し生じます。

内耳の障害で起こり、内耳にある内リンパ液が過剰に溜まってしまい、水ぶくれのようになってしまうことで起こる病気です。

3.ストレス

ストレスが耳鳴りの原因となる場合があります。
ストレスにより、脳が本来感じないような耳鳴りを過敏に感じるようになり、高音の耳鳴りを生じさせます。

一度、耳鳴りを不快なものとして感じると、耳鳴り自体がストレスとなり、そのストレスが徐々蓄積されていきます。

その結果、耳鳴りがだんだんひどくなってくるという悪循環に陥るリスクがあります。

4.加齢による難聴

老化により、内耳の蝸牛という場所の機能が低下してくると、高い音から聞き取りにくくなりはじめます。

すると、高い音を聞き取ろうと脳のセンサーが敏感になっていき、高音の耳鳴りが生じる場合があります。

まとめ

多くの方が飛行機などで気圧の変化が生じた場合に「キーン」と響く耳鳴りを感じたことがあるかもしれません。

もし、持続的にこのような耳鳴りが続く場合は、紹介したような病気や体調不良などが潜んでいる場合があるかもしれませんので、お早めに耳鼻科へ受診をしましょう。