飛行機に乗っているときなどに誰もが体験する「耳が詰まる感じがする」という症状。耳の閉塞感とも表現されます。その閉塞感がずっと続くという人はいませんか?実はそれ、病気のサインかもしれません。そこで今回は「耳が詰まる」という症状の原因かもしれない病気について紹介していきたいと思います。

目次

そもそも耳ってどんな仕組み?

耳の構造-図解
耳は、耳の穴から鼓膜までの「外耳(がいじ)」、伝わってきた音を鼓膜で受け止め、耳小骨を介して内耳へ伝える「中耳(ちゅうじ)」、音を信号に変換する蝸牛(かぎゅう)と三半規管などで構成された平衡器官がある「内耳(ないじ)」の3つに分かれています。

耳の閉塞感を招く8つの病気

耳垢栓塞(じこうせんそく)

症状

  • 耳が詰まる
  • 耳が聞こえにくい

耳垢栓塞は耳垢によって外耳が塞がれたり圧迫されたりすることで、閉塞感などを感じる病気です。耳だれやウイルス感染による病的な耳垢による場合もありますが、ほとんどの場合には1回の診察で除去することが可能です。

耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)

症状

  • 耳が詰まる
  • 耳鳴りがする
  • 耳が痛い

耳管狭窄症は、耳管が風邪や中耳炎によって狭くなり、空気が閉じ込められてしまって聞こえが悪くなる病気です。耳がこもる感じや痛みだけでなく、耳鳴り聞こえが悪くなるなどの症状がみられます。耳管狭窄症が悪化すると、滲出液という液が中耳に溜まり、滲出性中耳炎を起こすこともあります。

急性中耳炎

症状

  • 耳が詰まる
  • 耳が聞こえにくい
  • 耳が痛い
  • 高熱がある

急性中耳炎は、細菌やウイルスが耳管を通り、中耳で増殖して炎症を起こすことで発症します。炎症が軽い場合には耳の閉塞感や軽い痛みや難聴が、炎症が激しい場合には高熱や激しい痛みが生じます。

普通は一週間程度で治りますが、なかなか治らず長引いたり、何度も急性中耳炎を繰り返す反復性中耳炎になったりすることもあります。

滲出性(しんしゅつせい)中耳炎

症状

  • 耳が詰まる
  • 耳が聞こえにくい

中耳の鼓室に滲出液という分泌液がたまる病気です。多くの場合、急性中耳炎に引き続いて起こります。痛みがない代わりに軽い難聴を伴い、再発しやすいのも特徴です。軽いものは1カ月程度で治りますが、こちらも長引くことがしばしばあります。子どもや高齢者に多くみられる病気です。

突発性難聴

症状

  • 耳が詰まる
  • 耳が突然聞こえなくなる
  • 耳鳴りやめまいがある
  • 片側の耳だけに現れる

突発性難聴は、突然片方の耳が聞こえにくくなる病気です。耳の閉塞感や耳鳴りなどが症状の例ですが、ひどい場合だと激しいめまいや嘔吐を伴うこともあります。

原因としてはウイルス感染、内耳の血液循環の不具合、ストレスなどが考えられていますが未だに解明されていません。発病から2週間以内に治療を開始すれば回復に結びつきますが、4週間以上放置すると完治が難しくなってしまいます。

急性低音障害型感音難聴

症状

  • 耳が詰まる
  • 突然低い音が聞こえにくくなる

突然、耳が詰まったような症状や低い音が聞こえにくくなる病気です。

原因は分かっていませんが、誘因としてストレスが考えられます。ストレスを感じたり、溜めたりしやすい人は起こりやすいようです。女性の方がストレスに敏感なこともあり、女性に多い病気です。

耳管開放症

症状

  • 耳が詰まる
  • 自分の声や呼吸音が耳に響く

通常であれば、耳管は普段は閉じており食べ物などを飲み込む際に開きますが、耳管開放症になると耳管が常に開いた状態になってしまいます。耳に強い閉塞感を感じるだけでなく、自分の声や呼吸音が耳に響くなどの症状がみられます。

主な原因は体重の減少や運動後の脱水、産後の体調不良などで耳管の周りが痩せてしまったことによります。

メニエール病

症状

  • 耳が詰まる
  • めまいがする
  • 耳鳴りがする
  • 耳が聞こえにくい

メニエール病とは、めまいと耳鳴りの発作が繰り返し起こる病気で、吐き気や難聴を伴います。発作は数分で収まることもあれば、数時間続くこともあり、また人によって発作の回数も異なります。

その原因は、内耳の中にある内リンパ液の量の調整がうまくいかず、水ぶくれができることによります。ストレスや睡眠不足、乱れた生活習慣が引き金となりやすいといわれているため、日々の生活で気を付けていく必要があります。

まとめ

「耳が詰まる」という症状の原因は様々なため、「何か変な感じがする」と思ったら早めに病院へいきましょう。薬を服用すれば治るものから、悪化すると手術が必要なものもあるので適切な治療を受けることが何より大切です。