急に発熱したり、なかなか熱が下がらなかったことはありませんか?もしかしたら発熱以外の症状も起きているかもしれません。発熱だけでは分かりにくいですが、合わせて起こる症状から原因を推測することができます。今回は発熱と同時に耳が痛くなったときの原因として考えられるものを紹介します。

目次

なぜ発熱するの?

発熱の多くは細菌やウイルスによる感染です。細菌やウイルスが体内に入ってくると、外敵から身を守ろうと体内の機能が働きます。発熱することで、細菌やウイルスなど病気の原因となる病原菌の繁殖を抑えられます。また菌を食べる白血球などの細胞を活発化させます。このように発熱は外敵から身を守るために必要な働きなのです。

耳が痛くなる症状は?

耳が痛くなる症状は様々です。耳に直接関係する場合では、耳管狭窄(きょうさく)症中耳炎外耳道炎などです。また耳に近い部位に病気が生じても、耳まで痛みを感じることがあります。流行性耳下腺炎顎(がく)関節症、三叉(さんさ)神経痛などがこれに当たります。

発熱と耳の痛みを感じるときに考えられる原因は?

耳の診察-写真

これまで発熱や耳の痛みについて説明してきました。発熱と耳の痛みを感じるときは、炎症が耳もしくはその近くで生じている可能性があります。ここでは考えられる病気を具体的に紹介していきます。

急性中耳炎

鼓膜の奥には中耳と呼ばれる箇所があります。鼻や喉が風邪を引くなどして細菌に感染し、その細菌が中耳まで侵入した結果炎症を起こしてしまう病気です。乳幼児に起こりやすく熱が高くなることが少なくありません激しい耳の痛みのほか、難聴耳が詰まったような症状が見られます。進行すると耳だれが起きます。

急性乳様突起炎

耳の後ろにある、角ばった骨は乳様突起と呼ばれます。乳様突起の中には蜂の巣のような細かい空洞があり、そこが細菌に感染して炎症が生じる病気です。急性中耳炎の治療が不十分だと引き続き起きる恐れがあります突起周辺が赤く腫れ上がり、圧迫すると痛みを生じます。耳だれや発熱も見られ、難聴が悪化していくこともあります。

流行性耳下腺炎

いわゆるおたふく風邪です。耳の下にある唾液を分泌する耳下腺という部分がウイルスによって炎症を起こす病気です。耳の痛み高熱、嘔吐などが見られます。小児にかかりやすい疾患で、伝染力が強く流行しやすいのが特長です。

扁桃炎

舌の付け根の両側にあるのが扁桃腺です。扁桃腺が風邪や喉の乾燥によって細菌やウイルスが増え、炎症が生じる病気です。扁桃腺が赤くなって腫れあがり、唾を飲み込むのが難しくなるくらい喉が痛くなります。耳の痛みが見られることもあります。

咽頭炎、喉頭炎

咽頭や喉頭はのどの奥にある、食物や空気の通り道です。そこがウイルスや細菌に感染し、炎症を起こす病気です。喉が痛み、その痛みが耳へ広がることがあります。発熱や頭痛が起きる場合もあります。

まとめ

発熱は風邪の症状でよく見られるため、それほど気にせず市販薬などで対処される人が多いと思います。しかし、耳の痛みも生じるときは放置すると重篤になってしまう場合も考えられます。早期の治療で症状を軽くし、悪化させないことが大切です。早めに内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。