自分の口の臭いがなんとなく気になる方は少なくないと思います。口臭は、健康な場合でもある程度は生じるものですが、他人に不快感を与えるほどの臭いの場合は治療が必要になってきます。口臭の原因については「口臭の種類と原因とは。自分でチェックすることはできる?」で解説していますが、今回は、口臭の治療法と予防法を解説していきます。

目次

口臭の種類をおさらい!

前回記事でも紹介した口臭の種類について、改めて簡単に確認してみましょう。

  • 生理的口臭:起床直後や空腹時、緊張時などにみられる口臭です。病気ではなく一般的なものであり、特別な治療は必要としません。
  • 病的口臭:全身疾患や口腔疾患など、なんらかの病気が原因となっている口臭です。ほとんどは口の中のトラブルが原因となっています。
  • 心因性口臭:実際には臭いがしていないのに、「自分の口は臭う」と思いこんでしまう状態です。

口臭の治療法

ここからは、上記の種類ごとに、口臭の対策方法をみていきましょう。

生理的口臭の場合

前述の通り、生理的口臭はごく自然なものであり、特別な治療は必要ありません。臭いが気になる場合は、口腔内の清掃が対策の中心となります。特に、口臭の原因となりやすい舌苔の対策が重要です(詳しくは後述します)。

病的口臭の改善方法

口腔内のトラブルが原因となっている場合

歯周病虫歯など、口の中の病気が口臭を招いている場合、まずはそれぞれの病気に対する治療が最優先となります。

治療後も、定期検診セルフケアで再発防止に努めることが重要です。

全身の病気が原因となっている場合

糖尿病や肝疾患、副鼻腔炎、呼吸器疾患など、口の中以外の病気が原因となっている場合にも、これらの病気に対する治療が最優先となります。医師と相談しつつ、治療を進めていきましょう。

心因性口臭の場合

心因性口臭の治療では、患者さんへのカウンセリングと指導が中心となります。通常はカウンセリングを行うことで納得する患者さんが多いですが、まれに、カウンセリングを行っても口臭が気になり続ける方がいます。これは口臭恐怖症といい、この状態の患者さんには心療内科などでの治療が必要となります。

また、大学病院などの心療歯科でも治療を行うことができます。

家でできる口臭予防・ケア5つ

オーラルケア

口臭のほとんどは口腔内に原因があります。その為、歯科医院での定期検診を必ず行うようにしましょう。加えて、家でのケアも重要になります。

1.毎食後の歯磨き

口臭予防だけでなく歯周病、虫歯予防のためにも重要です。食後に必ず歯磨きを行うように心がけましょう。仕事などでどうしても歯を磨くことができない場合には、ブクブクうがいをするだけでも効果があります。

2.舌の清掃

口臭の最大の原因は舌の上に溜った舌苔です。舌専用の舌ブラシが薬局で販売されていますので、必ず専用の物を使いましょう。歯ブラシなどで磨くと、舌に傷をつけてしまうこともあります。

舌を前に突き出した状態で、力を入れずにやさしく、後ろから前にかきだすように磨きます。さらに具体的な方法は、「舌苔の正しいケア方法!お手入れや、予防のポイントは?」をご参照ください。

3.洗口剤を使う

市販されているデンタルリンス(洗口剤)も、口臭を減らしたり、予防したりする効果があります。ただし、その効果は一時的なものです。気になる臭いが慢性的に続いている場合は、ほかの改善法も用いるようにしてください。

ニンニクを食べた直後など、一時的な口臭に対しては有効です。

4.ガムを噛む

ガムを噛むことにより、唾液の分泌量が増加します。唾液には口の中を清潔に保つ殺菌作用・自浄作用があるため、ガムを噛むことが口臭の予防につながるのです。また、口臭予防効果のあるガムも市販されています。

デンタルリンス同様、その効果は一時的なものですが、臭いの強いものを食べた直後などには効果的です。

5.ストレスを減らす

ストレスがかかると、唾液の分泌量が減ります。普段からリラックスした生活を送ることが、口臭の予防につながります。

最後に

「口臭が気になるけれど何科に行けばよいか分からない」という方もいるかもしれません。ほとんどの場合、口臭の原因は口の中にあります。ですから、まずは歯科を受診すると良いでしょう。原因がわかり、口臭が改善された後も、定期的な検診やセルフケアが大切になります。半年に一度は、歯科検診を受けるようにしてくださいね。