「自分の検査結果が基準値から外れている…」と不安な方はいませんか?実はそれ、そこまで神経質になる必要はないかもしれません。そもそも、検査結果に書かれている「基準値/参考値」ってどういうものなのでしょう?今回はそんな結果に対する不安や疑問にお答えしていきます。

目次

基準値(参考値/標準値)ってなに?

現在では人間ドックの検査結果の値を「正常値」ではなく「基準値」と呼ぶのを知っていますか?

検査の正常範囲の決め方は、まず、健康な人々の検体を測定し、それらに統計的な分析を行って、範囲の上限・下限を定めるというものです。しかし、この上限・下限の範囲の中には測定した健常者のうち95%の人しか含まれません。そのため、正常範囲外の結果を示す人が一定数いるということになります。
また、検査対象となる集団が変われば、統計値も微妙に変わってしまうのです。

そのため、「正常値」ではなく「基準値」「基準範囲」と呼ぶようになりました。ですから、基準値をわずかに超える検査値があっても、大げさに心配する必要がない場合もたくさんあります。

ただし、基準値内に収まるのに越したことはありませんし、基準範囲を大幅に超えている場合はなんらかの疾患を抱えている可能性を念頭に置く必要があるでしょう。

どういうことが検査結果に影響するの?

化学検査-写真

影響しやすい要素として「性別」「年齢」が考えられます。身体のつくりや状態が違う以上、値に差があるのは自然なことともいえるからです。特に閉経前後の女性は女性ホルモンの減少に伴い、検査結果が大きく変わることがあります。

また、食事の摂取も検査結果に多少の影響を与えます。特に血糖値や中性脂肪など食前と比べて食後に大きく変化がしやすい項目です。そのため、検査結果を見るときには検査の前に何か食べたか(検査の前日夜9時以降前は食事を摂ってはいけませんが)、食事からどれくらい時間が経ったかを考える必要があります。

その他、医療機関によって検査項目の基準値が多少異なることがあります。これは、検査方法や検査機器、試薬などが異なることがあるからです。そのため、自分の検査結果と、他の医療機関や医学書などが提示している基準値と自分の結果を見比べる際には注意が必要です。

大切なのは個人の基準値

基準範囲を考えるときには「基準範囲は大多数の人の標準から得られたものなので、結果には幅があって当たり前」とすることが大切です。

逆に、個人の検査値は、より限られた値であるため、基準範囲内でもある人にとっては異常な変化とされることもあります。

自分の基準値を知るには、年に一回の定期検査を受けて自分の基準範囲となるデータを収集しておくのがよいでしょう。人間ドックの記録だけでなく、小さな検査の結果なども保管しておくと、いざという時の医師の判断材料として役に立つことになります。

もし、「要検査/再検査」と判定されたら?

人間ドックは病気の早期発見のために厳しい基準が設けられています。そのため、二次検査(再検査/精密検査)が必要とされることも珍しくありません。ですので、そう診断された場合には、なるべく早く医療機関を受診して精密検査をしましょう。

要再検査/要精密検査の判定を受けた場合は、会社によっては指定の医療機関や費用負担してくれる場合もあります。まずは会社の健診担当者に確認してみましょう。

二次検査について、大抵は人間ドックを受診したところで再検査しますが、特に指定のない場合は、保険証、健診結果、紹介状(健診結果に同封されている場合)をお持ちになって、お近くの人間ドック医院を受診ください。

検査は受けっぱなしではその良さが活かされません。要再検査/要精密検査と診断された場合には必ず検査を受けましょう。
病気を早期発見できるということに、人間ドックを受ける意義があるのです。

まとめ

「基準値/参考値」は自分の身体を客観的に見ることができるという点で重要な数値のひとつです。しかし、あくまでも「参考程度」にして、自分の結果と照らし合わせることで自分なりの健康目標を立てていくことが重要といえるでしょう。