肉類の中で、生産量・消費量ともにトップの豚肉は、家庭でもなじみ深い食品です。ソテーにしたり、豚汁にしたりと、料理の幅も広く、色々な調理法で楽しめます。子供が大好きな、ウインナーやハムなどの加工品も、主に豚肉を使用して作られています。

豚肉にはビタミンB群が特に多く含まれており、糖質の代謝を促し、疲労回復に役立つビタミンB1は牛肉の約10倍にもなります。組み合わせに良い食品や、美味しく食べるためのコツをとり入れ、効率的に摂取しましょう。

目次

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豚肉ってどんな食品?

豚肉は、牛とは違い品種も多く、世界中で数百種にのぼります。日本で飼育されている純粋種は6品種で、食用に市販されているもののほとんどが、純粋種を掛け合わせた交雑種。近年人気の黒豚は、「バークシャー純粋種」のみが名乗れる名称です。

豚肉は、寄生虫の心配があるのでしっかり火を通して食べましょう。中には、SPF豚と言って、病原菌の心配がないと表示が付いたものもありますが、無菌ではないので加熱して食べてくださいね。

豚肉も、鶏や牛のように、部位によってカロリーや栄養成分が異なります。家庭で食べられることの多い、次の5種について、比較をしてみました。

豚肉の部位別の100gあたりの食品成分

ロース バラ もも ヒレ
 エネルギー(kcal) 239  291 434 225 112
 たんぱく質(g) 18.3 18.3 13.4 19.5 22.7
 脂質(g) 17.2 22.6 40.1 15.1 1.7
 カリウム(mg) 320 310 220 330 400
 亜鉛(mg) 3.0 1.6 1.6 2.0 2.3
 銅(mg) 0.08 0.05 0.04 0.07 0.09
 レチノール(μg) 5 6 9 5 2
 ビタミンB1(mg) 0.70 0.77 0.45 0.90 1.22
 ビタミンB2(mg) 0.22 0.13 0.11 0.19 0.25
ナイアシン(mg) 4.8 7.1 4.2 7.2 5.4
パントテン酸(mg) 0.92 0.66 0.62 0.92 0.90

出典:日本食品標準成分表を元にいしゃまち編集部が作成

脂身の少ないももヒレ肉は、カロリーが低い傾向にあります。目的や調理法によって、使う部位を選んで購入しましょう。

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豚肉が疲労回復に役立つ理由とは!?

ビタミンB1

体を動かすエネルギーのもとになる栄養素といえば糖質ですが、この働きを促進するのがビタミンB1です。ビタミンB1には、体内で糖質をエネルギーに変える酵素助ける、補酵素の役割があります。エネルギーがスムーズに作られることで、疲労回復スタミナ増強に役立ちます。

また、糖質は全身の神経系のエネルギー源でもあるため、精神安定イライラ緩和の効果も期待できるようです。

たんぱく質

血液筋肉を作る材料となるたんぱく質は、健康的な体を作る上で欠かせない栄養素です。豚肉には良質なたんぱく質が含まれており、もも肉100g中には、卵2個牛乳700ml相当の量が含まれています。

また豚の肝臓(レバー)には、貧血予防に役立つや、がん予防にもなるレチノール、脂質と糖質の代謝の補酵素となるビタミンB2などが多く含まれています。

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上手な豚肉の食べ方のポイント

豚肉は、細胞の材料となるたんぱく質や、傷の治りを早めるパントテン酸が多く含まれています。β-カロテンビタミンCが豊富な緑黄色野菜と合わせると、より効果を高めることができます。

また、にんにくや玉ねぎなどに含まれるアリシンという成分は、疲労回復効果殺菌作用を持ちますが、ビタミンB1と結びつくと吸収率が5~6倍に高まります。

ビタミンB1は水溶性ビタミンなので、スープにする場合は、味付けを薄めにして、汁まで丸ごと飲めるようにしておくのがポイントです。

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まとめ

豚肉は、糖質の代謝をサポートするビタミンB1が多く含まれており、ご飯や麺などの糖質を多く摂取しがちな人には特にオススメの食材です。栄養素の効果を高める食材と組み合わせて、効率よく調理をしてみてくださいね。