肉類は9種類の必須アミノ酸をバランス良く含んだ良質なたんぱく質源です。しかし、肉類には悪玉コレステロールを増加させてしまう飽和脂肪酸が多く、特に牛肉は最も多く含まれています。
肥満に繋がりやすい食品であるというのは否定できません。しかし、質の良いたんぱく質が摂れること、不足しがちな微量栄養素も摂れるというメリットがあり、カロリーカットを工夫をしながら、定期的に摂ってほしい食品です。
この記事では、牛肉に含まれる栄養素やその効能、摂り方のコツなどについて解説していきます。
牛肉ってどんな食品?
牛肉は、国産牛や輸入牛、部位、品種が様々で、栄養価やカロリーも異なってきます。家庭でよく食べられる部位は、肩ロースやヒレ、バラ(カルビ)、モモ肉などです。副生物のタンやレバー、ハツなども焼肉ではお馴染みですね。
和牛の部位別の100gあたりの食品成分
肩ロース | ヒレ | バラ | モモ肉 | |
エネルギー(kcal) | 411 | 223 | 517 | 259 |
たんぱく質(g) | 13.8 | 19.1 | 11.0 | 19.2 |
脂質(g) | 37.4 | 15.0 | 50.0 | 18.7 |
カリウム(mg) | 210 | 340 | 160 | 320 |
鉄(mg) | 0.7 | 2.5 | 1.4 | 2.5 |
亜鉛(mg) | 4.6 | 4.2 | 3.0 | 4.0 |
銅(mg) | 0.06 | 0.09 | 0.09 | 0.07 |
ビタミンK(μg) | 8 | 4 | 16 | 6 |
ビタミンB2(mg) | 0.17 | 0.24 | 0.11 | 0.2 |
ナイアシン(mg) | 3.2 | 4.3 | 3.1 | 5.6 |
ビタミンB6(mg) | 0.18 | 0.37 | 0.16 | 0.34 |
ビタミンB12(μg) | 1.1 | 1.6 | 1.2 | 1.2 |
パントテン酸(mg) | 0.9 | 1.28 | 0.74 | 1.09 |
出典:日本食品標準成分表を元にいしゃまち編集部が作成
このように、部位によってはカロリーが2倍になってしまうこともあります。牛肉を選ぶときは、目的を考えながら部位を選んで購入するようにしましょう。
カロリー高め?それでも体に良い理由とは?
良質なたんぱく質
牛肉には、体内で合成できない必須アミノ酸が全て含まれています。たんぱく質は血液や筋肉など、体の組織の材料となりますので、成長や健康維持には欠かせません。そして、体を強くし、ウイルスから体を守ってくれるので、風邪予防効果も期待できます。
貧血予防の鉄
牛肉には、豚肉よりも多い鉄分が含まれています。鉄は赤血球の合成に欠かせない栄養素で、不足すると、疲れやすい、頭痛、動悸、食欲不振などの症状が現れやすくなります。
ビタミンB12
「赤いビタミン」とも呼ばれるビタミンB12は、補酵素として様々な反応に関与しています。たんぱく質や核酸の合成や、中枢神経機能の維持、脂肪の代謝などにおいて重要です。また、葉酸とともに、悪性貧血を防ぐ働きもあります。
美味しくヘルシーに食べるコツとは?

牛肉は、肉類の中で最も脂質が多く、大部分が飽和脂肪酸です。脂は50℃以上で溶け出すので、アクや脂をしっかり取り除くのが美味しく食べるコツです。煮込み料理の場合は、出てきたアクを必ずすくい取りましょう。
ステーキの場合には植物油を使うなど、飽和脂肪酸を重ねないというのも工夫の一つですよ。コレステロールが気になる人には、脂身の少ないモモ肉やヒレ肉を使うのもオススメ。除ける脂身は取ってから調理すると良いですね。
まとめ
牛肉は全体的に脂質が多く、カロリーが高めです。しかしその一方で、良質なたんぱく質や鉄分など、体にとって重要な役割をする栄養素もしっかりと含まれています。できるだけ脂身の少ない部位を選んで、調理法を工夫しながら定期的にとり入れていくことが重要ですよ。