健康のために毎日牛乳を飲むという方も多いのではないでしょうか?牛乳には、骨や歯の成分となるカルシウムや、体の組織を作るたんぱく質がたっぷりと含まれています。

成長には欠かせない飲み物として、昔から親しまれてきた牛乳ですが、その秘密はカルシウムの吸収率にあります。

牛乳に含まれる栄養素や、飲み方のポイントなどについて解説していきます。

目次

牛乳ってどんな飲みもの?

牛乳は、優れたたんぱく質源であり、日本人に不足しがちなカルシウムの供給源としても貴重な食品です。そのまま飲むだけではなく、シチューやグラタンなど、様々な料理にも利用されます。

牛乳は普通牛乳加工乳に分けられ、加工乳には乳脂肪を増やして「濃厚」にしたものや、脱脂して脂質を減らした「低脂肪」のものがあります。

普通牛乳といわれるものは、乳脂肪分が3.0%以上無脂乳固形分が8.0%以上のものと定義されています。生乳以外の原材料の添加は認められていません。

牛乳・低脂肪乳200mL(コップ1杯分)に含まれる食品成分

普通牛乳 低脂肪乳
エネルギー(kcal) 134 92
たんぱく質(g) 6.6 7.6
脂質(g) 7.6 2.0
炭水化物(g) 9.6 11.0
カルシウム(mg) 220 260
マグネシウム(mg) 20 28
リン(mg) 190 180
ビタミンB1(mg) 0.08 0.08
ビタミンB2(mg) 0.30 0.36
ビタミンB12(μg) 0.6 0.8
パントテン酸(mg) 1.10 1.04

出典:農林水産省「食品成分データベース」を元にいしゃまち編集部が作成

普通牛乳と低脂肪乳を比較すると、脂質の量が大きく違うのがわかります。脂質の量が少なく、たんぱく質やカルシウムの量が多いので、ダイエット中の人は低脂肪タイプがオススメです。

牛乳のカルシウム吸収率はトップクラス!

カルシウムの働き

体内に存在するカルシウムのうち、99%は骨や歯などの硬い組織に存在し、体を支える働きをしています。骨は絶えず作り直されており、カルシウムは骨から出たり入ったりしており、血中のカルシウム濃度は9〜11mg/dLと、ほぼ一定に保たれています。

残りの1%は細胞や血液中に存在しており、心臓や筋肉が正常に収縮するのを保つ働きや、血液凝固、酵素の活性化などの色々な役割を担っており、必要不可欠の栄養素です。

カルシウムの吸収率

カルシウムは、吸収率がとても低く、せっかく摂っても利用されないものもあります。リンやマグネシウムなどのミネラルは、お互いに吸収を妨げ合っているので、摂取比率を考え、バランスよく摂らないといけません。

特にリンはカルシウムとすぐに結合し、結晶になってそのまま便に排出されてしまいます。牛乳のカルシウムとリンの比率は、1:0.85であり、理想的な比率と言われています。

吸収率を高めるためには?

カルシウムの吸収率を高めるものには、ビタミンDやアルギニン酸、リジンなどがあります。牛乳は、カルシウムとリンの比率が良いだけではなく、吸収を良くするカゼインホスホペプチド乳糖が含まれています。

野菜に含まれるシュウ酸や、豆類に含まれるフィチン酸過剰の脂質は吸収を妨げてしまいます。リンの摂取量は、カルシウムの2倍までの量が良いとされていますので、偏った食事にならないよう、牛乳を飲むことを意識して、バランスの良い食事を心がけましょう。

牛乳の摂取量と摂り方

ホットミルク-写真

カルシウムの摂取目標量は、30〜49歳の男女においては650mg/日とされており(2015年版 日本人の食事摂取基準)、牛乳は貴重なカルシウム供給源です。1日1本(200ml)を目安としてとり入れましょう。(食事バランスガイド

また、体質的に乳糖をうまく分解できない乳糖不耐症の人の場合は、牛乳を温めて飲むか、ゆっくり噛むようにして飲むと良いとされています。乳糖不耐症の人向けの市販の牛乳もありますので、そういったものを利用するのも良いでしょう。

まとめ

牛乳は、良質のタンパク質や、カルシウムを摂ることができ、さらに吸収率も高いという健康的な食品です。吸収率のことを意識し、他の食品とのバランスを考えながら、コップ1杯の牛乳を飲むことを習慣にしてみましょう。