コンタクトレンズ使用者数は増え続けており、現在では日本人の10人に1人はコンタクトレンズ愛用者といわれています。しかし使用者が増える一方、コンタクトレンズの間違った使用方法による眼障害も報告されているのです。ここでは、コンタクトレンズを使用する上で基本となるコンタクトレンズの正しい付け方・外し方について確認してみましょう。
コンタクトレンズの種類
コンタクトレンズは、硬くて小さいハードコンタクトレンズと大きくて柔らかいソフトコンタクトレンズの2種類に分類されます。それぞれの特徴は次のようになります。
ハードコンタクトレンズ
ハードコンタクトレンズは硬い素材でできていて、角膜(黒目)よりも小さいレンズです。乱視矯正に優れています。素材自体が酸素を通す素材でできているため、角膜により多くの酸素を運ぶことができます(酸素透過性が高い)。
ソフトコンタクトレンズ
ソフトコンタクトレンズは、柔らかい素材でできている角膜全体を覆う大きなレンズです。柔らかいため初めての人でも装用感が良く目に馴染みやすく、スポーツに向いているというメリットがあります。一方で、乾燥しやすい・装用感が良いため角膜トラブルに気付きにくいというデメリットもあります。
ハードコンタクトレンズ | ソフトコンタクトレンズ | |
メリット |
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デメリット |
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出典:メニコンを参考にいしゃまち編集部が作成
正しい装用の仕方-付け方-
ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズは素材も大きさも異なるため、外し方がそれぞれ異なります。正しい付け方・外し方ができているか確認してみましょう。
※付け方は、ハードもソフトも共通です。
ハードコンタクトレンズソフトコンタクトレンズ共通
- 利き手の人差し指にレンズを乗せ、ゴミなどが付いてないか確認する
- 利き手の中指で下まぶたを下げ、反対の手の人差し指で上まぶたを真上に引っぱり目を大きく開ける
- レンズをゆっくり近づけていき、黒目の上に乗せる
- ゆっくりと手を離し、何回か瞬きをする
- 反対の目を隠し、レンズが入っているか(遠くがよく見えるか)確認する
※ソフトコンタクトレンズの場合は柔らかいため、表と裏がひっくり返っている可能性があります。装用前に必ず表と裏が間違っていないかを確認してください。裏の場合は、レンズの端が反り返っています。また、レンズに刻印がしてある場合は真横から見て刻印が読めるかどうかで向きを確認します。
正しい装用の仕方-外し方-
ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズでは、レンズの外し方に大きな違いがあります。
ハードコンタクトレンズ
- 鏡を見て、角膜(黒目)の上にレンズがのっているか確認する
- 大きく目を開けて、外したい目と同じ側の人差し指を目尻にあて、そのまま斜め上又は真横に引っ張る(引っ張った時に、上まぶたと下まぶたでレンズを挟み込むような感じ)
- 外れたレンズが下に落ちないように反対の手でお椀を作り構えておく
- 人差し指を斜め上に引っ張ったまま瞬きをする
- 瞬きと同時にレンズが外れるので、反対の手で受け止める
レンズよりも目を大きく開けないとレンズが引っかからないので、大きく目を開けることがポイントです。一度やっても外れなかった場合は、いったん手を離してもう一度最初からやり直してみましょう。
ソフトコンタクトレンズ
- 中指で下まぶたを少し下げて、同じ手の人差し指で黒目の上のレンズを少し下にずらす
- 親指と人差し指で、黒目と白目の境目あたりをつまむようなイメージでずれたレンズをつまんで取り出す
ソフトコンタクトレンズは柔らかいレンズなので、ハードコンコンタクトレンズのようにまぶたで挟み込むことができません。そのため直接レンズをつまんで取り出します。
ただし、柔らかいレンズなので思いっきりつまむと破れる可能性があります。レンズをつまむ際は爪をたてずに指の腹でつまむようにしましょう。
ドライアイ気味の人はレンズの動きが悪くずらしにくい場合があります。外す時にレンズが動きにくい場合は瞬きを何度かしたり、コンタクトレンズ用の目薬などで目を潤すとレンズの動きがよくなります。
まとめ
間違った付け方・外し方をしていると、目のトラブルやレンズの破損などを引き起こしてしまうこともあります。安全にコンタクトレンズを使用するためにも・レンズを長持ちさせるためにも、正しい付け方・外し方をしっかりと理解しておくことが大切です。