目覚めがいいとその日1日は気分もスッキリとしますが、朝起きた時に目が痛い・かすむ・開かない、目の調子が悪いと気分もどんよりしてしまいます。寝起きの目のトラブルはどのような原因でおこるのでしょうか。改善する方法もあわせてご紹介していきます。

目次

寝起きの目のトラブルでよくある症状

寝起きの目の不調を訴える人は、案外多くいるものです。実際に、寝起きの目にみられるトラブル症状としては、次のようなものがあります。

  • 目がかすんで見えにくい
  • 目にゴロゴロした異物感があったり痛みがあったりする
  • 目やにが多く、まぶたにくっついている
  • 目が開けにくい

上記の症状があっても、時間が経つと症状も楽になってくる場合もあります。しかし放置しておくと悪化してしまうこともあるため、気になる場合は眼科を受診しましょう。

寝起きの目のトラブルの原因

起きた時にかすんで見えにくくなっていたら、きっと誰でも驚いてしまうでしょう。では上記のような症状はなぜおきるのでしょうか。その原因として次のような病気が考えられます。

ドライアイ

目の表面は常に涙で覆われていますが、この涙の量が少なくなったり涙の成分のバランスが崩れたりすることで生じるのがドライアイです。

ドライアイというと「目が乾く」というイメージがあると思いますが、乾き目だけではなく角膜(黒目)に傷がつくなど様々な症状を引き起こします。寝起きに目がかすむ・ゴロゴロする・痛い・目が開けにくいという症状も、ドライアイではよくみられます。

私達の目は、涙を循環させ常に目の表面を潤しています。しかし、寝ている時は涙の分泌が減少します。

通常の目では、涙が角膜の表面を均等に覆うことで綺麗な球形を保つことができ、視力の安定に繋がっています。普通の人であれば、睡眠中に涙の分泌が減少しても問題ありません。しかしドライアイの人は元々の涙がどうしても少ないので、睡眠中はより乾燥しがちになってしまいます。涙が足りないと綺麗な球形を保つことができないため、起きてすぐはかすむといった症状があらわれやすいのです。

また、目がゴロゴロするような感覚や異物感も、涙の量が少ないために生じます。瞬きをすると角膜がこすれ、異物感や痛みとしてあらわれるという仕組みです。

寝起きのこれらの症状は、起きてしばらくすると改善されることがほとんどです。それは角膜表面に涙が十分補給された証なのです。

兎眼(とがん)

顔面神経麻痺や外傷など、何らかの理由によってまぶたを完全に閉じることができない状態を兎眼といいます。寝ている時も眼が半分開いたままになってしまっているため、開いている部分の角膜は乾燥し、ドライアイと同じような状態になります。すると、寝起きに異物感や痛みを感じてしまうのです。

再発性角膜上皮びらん

朝起きた時に眼が激しく痛むという症状が特徴なのが、再発性角膜上皮びらんです。以前に角膜に傷がついたことがある人に起こりやすい病気です。治ったと思っていても傷がついた角膜部分の接着が悪いため、朝起きて眼を開けた時にまぶたの裏側で角膜がこすれ、接着不良部分の角膜上皮がめくれてしまいます。すると、激しい痛み流涙といった症状があらわれます。

結膜炎

朝起きた時に少量の目やにがついていたという経験は誰でもあると思いますが、これは新陳代謝によっていらなくなった老廃物なので問題はありません。しかし、朝起きた時に目やにで目が開かないという場合は結膜炎になっている可能性があります。

結膜炎は細菌感染による「細菌性結膜炎」、ウイルス感染による「ウイルス性結膜炎」、アレルギーによるアレルギー性結膜炎に分けられます。細菌性結膜炎の場合は黄色っぽい膿のような目やに、ウイルス性結膜炎の場合は白っぽくネバネバした目やにが出ます。

 

上記のように、寝起きの目のトラブルは、目に何かしらの異常がおこっているため起こります。放置せず、おかしいなと思ったら早いうちに眼科を受診しましょう。

起床時のトラブルの改善方法

目覚まし時計をとめる女性-写真

起床時の目のトラブルを改善するためには、それぞれの原因を治療することが大切です。

ドライアイ用点眼薬

ドライアイが原因となっている場合は、寝る前に人工涙液などのドライアイ用の目薬を点眼することが効果的です。

眼軟膏

兎眼や再発性角膜上皮びらんの場合、寝る前に眼軟膏を使用することで乾燥を防ぎ、起きた時のまぶたの摩擦から角膜を守ることができます。日中に眼軟膏を使うと軟膏で見えにくくなることがあるため、寝る前に使用するのがポイントです。

 

細菌性結膜炎は点眼で治りますが、ウイルス性の場合は特効薬はなく、点眼薬はあくまでも症状をやわらげるための対症療法でしかありません。ウイルス性の場合は感染力が強いため、周囲にうつさないように感染防止にも気をつける必要があります。

まとめ

起床時の目のトラブルの原因は様々です。ドライアイなどの場合は時間が経つと症状が改善されますが、治ったからといってそのまま放置しておくと何度も繰り返し、角膜の傷から感染をおこしてしまう可能性もあります。症状が改善されていても、一度眼科で目をチェックしてもらうことをおすすめします。