朝食抜きの生活をしている人たちは「起き抜けに食事なんて食べる気にならない」「朝食抜きのほうがやせる」「朝ごはんを食べると気分が悪くなる」などという理由で朝食を摂らずに1日の活動を始めているようです。

しかし、朝食抜きの生活はいろいろな意味で損をしていると言わざるを得ません。その理由をお話しましょう。

目次

 朝食は食べたほうがいいのですか?

朝食を食べたほうがよいか食べないほうがよいのかといわれれば、当然、朝食は食べたほうがよい、という回答になります。理由は簡単。朝食は午前中の活動源となります。朝、何も食べずに仕事をした場合と、朝食を摂って仕事をした場合の作業効率がまったく異なるのです。例えば、厚生労働省が発表している「早寝早起き朝ごはん」のサイトを見てください。朝食摂取と学力の関係について書かれています。毎朝、朝食を食べてから学校へ行く子供と朝食を食べずに学校へ行く子供では学力も体力も、朝食を食べている子供のほうが優れているという結果です。「こんなのたまたまでは?」と思う人もいるかもしれませんが、医大生をAグループとBグループの2グループに分け、Aグループは朝食を食べてから、Bグループには朝食を食べずに簡単なテストを行ってもらったところ、朝食を食べたAグループのほうが成績がよく、後日、このグループを逆にしてBグループには朝食を食べてから、Aグループには朝食を食べずにテストを行ってもらったところ、Bグループのほうが成績がよかったとの研究結果もあります。

つまり、朝食は活動効率を上げる大切な食事なのです。朝食を食べずにぼんやり過ごすより、朝食を食べて元気に活動したほうがよいと思いませんか?

食べられないのには理由がある

朝ごはん

朝食を食べられないという人たちは「朝食を食べると、調子が悪くなるから食べない」と言いますが、本当は朝食の効果を発揮できる生活をしていないことが多いです。よくあるケースについてみてみましょう。

例1)起き抜けに食事なんて食べる気にならない(1分でも長く寝ていたい)

朝は仕事や学校等の始業時間を鑑みて身支度を整えながら朝食をとることになります。忙しいので割愛できるところはできるだけ割愛したい…でも、パジャマのまま出かけるわけにもいかないし、女性なら化粧しないで出かけるというのも気が引けるでしょう(最近は電車の中で平気で化粧をする迷惑な女性も増えてはいますが)。だから食事は後回し。という人も多いようです。

こういう人は支度をするのに十分な時間が確保できていません。その理由は睡眠時間が足りないから。夜、ゲームをしたりネットサーフィンで時間を使ってしまったりなどで睡眠時間が削られていませんか?夜の時間の使い方を見直してみてください

例2)朝ごはんを食べなければやせる(健康になる)

これはまったくの誤解。「1日3食を1日2食とすることで痩せる」というようなふれこみです。説明すると長くなってしまうのでこの記事内での説明は割愛しますが、食べたものの質と量の積み重ねが体を作っていきます。仮に毎日であったとしても1食(この場合は朝食)だけに注目しても内容が改善されていなければさほどの効果はありません

※1日3食の詳しい理由については、「なぜ「一日三食」なの?本当にダイエットや健康に良いのは一日何食?」の記事をご覧ください。

例3)朝ごはんを食べると気分が悪くなる

消化器系の問題の場合と精神的な問題の場合があります。それぞれに適した治療が必要ですので、あまりにひどいようであれば診察を受けるようにして下さい

本当にそれしか方法はない?

本当に朝食を食べないことが最良の選択でしょうか?人間は「今まで通り」を好みます。変えることでストレスを感じることもあると思います。しかし、朝食を食べて午前中の時間を活動的に過ごしている人の方が「幸福感」を感じる人が多いことも分かっています。仕事の効率だけでなく、幸福にもなれる朝食を食べないなんてもったいないことです。

日常生活を過ごしていると、朝食を食べるか食べないかは小さな違いのように思われるかもしれませんが、その小さい違いが、月日が経つにつれて大きな差になって現れます。