朝起きられなかったり、頭痛やめまいを引き起こしたりする辛い低血圧。低血圧の基準値は収縮期血圧(最高血圧)が100mmHg未満拡張期血圧(最低血圧)60mmHg未満を目安としています。低血圧の原因としては血液を送り出すポンプ作用が弱いことが考えられ、特に若い女性には低血圧の人が多く見られます。高血圧とは違い、低血圧はあまり重要視されていませんが、低血圧の症状に悩む人にとっては辛く、できれば改善したいものですね。低血圧を予防・改善するための食生活のポイントについて解説します。是非参考にしてみてください。

目次

低血圧の症状とは?

低血圧は実に様々な症状があり、貧血と似た症状が見られるため、色々な検査をしてから診断されます。

低血圧のタイプには大きく分けて3つあり、本態性低血圧(原因がはっきりとせず体質によるもの)、起立性低血圧(急に立ち上がったときに起こる血圧の急激な低下によるもの)、二次性低血圧(症候性低血圧とも。病気や薬が原因のタイプ)があります。

本態性低血圧の場合

  • 疲れやすい
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 肩こり
  • 不眠
  • 食欲不振
  • 動悸
  • 息切れ

起立性低血圧の場合

  • 立ちくらみ
  • めまい
  • 失神

などの症状が見受けられます。

低血圧を改善する栄養素とは?

低血圧の症状として食欲の減退が見られると、栄養不足になってしまうこともあります。欠食をすると低血糖の症状や、生活リズムの乱れから生活習慣病になるリスクが高くなるので、できるだけ3食しっかりと食べるように心掛けましょう。

低血圧の改善に特に必要なのは体力をつけることと血流を良くすることです。これらの効果をもたらす栄養素には次のようなものがあります。

たんぱく質

筋肉を作る材料となるたんぱく質は、体温を上げたり疲労を回復させたりする効果があります。肉や魚、大豆・大豆製品などを積極的に摂りましょう。

ビタミンE

抗酸化作用を持つビタミンEは、血管の中に溜まった過酸化脂質を分解し、血液をサラサラにする働きがあります。ビタミンEはナッツ類やかぼちゃに多く含まれています。

ミネラル類

血圧は主にカリウムとナトリウムによって調整されています。高血圧の人は塩分の摂取を抑えて血圧が上がらないように調整しますが、低血圧の人には適量の塩分摂取は欠かせません。

また、カリウムはナトリウムの排出を促進し、血圧を下げる作用を持ちます。生野菜や生果物に多く含まれているので、食べ過ぎには気を付けてください。

もう一つ、大切なのが鉄分の補給です。女性の低血圧の原因としては、鉄欠乏性貧血が多くみられます。貧血を合併している場合には特に、鉄分をしっかり摂ると良いでしょう。鉄分は、レバーやカツオ、イワシ、ドライフルーツ、ほうれん草などに多く含まれています。

血液をサラサラにする栄養素

DHA・EPA

青魚に含まれる脂肪酸です。血中のLDL(悪玉)コレステロールを減らす効果があります。

アリシン

ニンニクやネギなどの匂いの元となっているアリシンは血栓ができるのを防ぎ、血流を改善する働きがあります。豚肉や大豆に多く含まれるビタミンB1と一緒にとり入れることでさらに効果を高められます。

低血圧を改善するための生活のポイント

朝食

食生活の他にも生活習慣全体を見直し、低血圧を改善しましょう。

1.早寝早起きを心掛け、朝食をしっかりと摂りましょう

朝食は1日活動するためのエネルギーを補給する大切なもの。特に炭水化物を摂ることで脳にも栄養が届き、眠気や気だるさを取り除けます。

2.水分補給をしっかりと

血圧と体の中の水分量は密接に関係しています。水分補給をして5分後から血圧は上がり始めます。

3.適度にカフェインを摂りましょう

カフェインは交感神経を刺激し血液の循環を良くする作用があります。コーヒーが苦手な人も緑茶や紅茶を是非とり入れてみてください。

4.ゆっくりと湯船に浸かりましょう

入浴して体を温めることで血行促進に繋がります。ゆっくりと湯船に浸かり、リラックスしながらストレスや疲れも一緒に撃退しましょう。

5.適度な運動を

脚や手などの末梢部の血液の循環が悪くなると低血圧に傾きます。ウォーキングや階段昇降などをしてふくらはぎの筋肉を鍛え、血液の循環を良くしましょう。

まとめ

低血圧は規則正しい生活を送りながら、必要な栄養素を意識して摂り入れることで改善ができます。体力をつけるために十分な量のたんぱく質、血流改善のためにビタミンやミネラル類を摂取できるように心掛けましょう。