朝起きたらまぶたが腫れていた経験をしたことがある人はいると思います。まぶたが腫れる原因は、ものもらいだけではありません。いざという時に慌てないために、まぶたが腫れる病気について詳しくみていきましょう。

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まぶたの腫れ、放って置いても治るもの?

まぶたが腫れる原因には様々なものがあります。しばらく様子をみていて自然と治っていくものもあれば、治療が必要になるものもあります。具体的には次のようなものが考えられます。

むくみ

泣きすぎた時やうつぶせに寝ていた時におこるまぶたの腫れは、浮腫(ふしゅ)、つまりむくみが原因の場合がほとんどです。これは、細胞と細胞の間にある間質液という水分が皮膚の下にたまってしまうことでおこります。

時間の経過とともに間質液が吸収されると、腫れは自然とおさまります。

流行性角結膜炎(はやり目)

結膜は眼球とまぶたを結ぶ半透明の膜で、常に涙で潤っており、細菌や異物などが目の中に侵入することを防いでいます。この結膜がアデノウイルスに感染することで起こるのが、流行性角結膜炎です。

白目が真っ赤になったり、朝起きた時に目やにがひどくて目が開かなかったり、まぶたが腫れて涙目になったりという症状が出ます。ひどい場合は、結膜の表面に白い膜(偽膜)ができたり、角膜混濁をおこし視力が低下したりすることもあります。

特効薬はなく、抗炎症剤の点眼など、症状をやわらげる治療を行います。発症後2週間程度でおさまることが多いですが、1か月程度かかることもあります。その名の通り感染力が強い病気のため、周囲に感染させないように気をつけましょう。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

霰粒腫という病名は聞き慣れないかもしれませんが、いわゆる「ものもらい」の一種です。

まぶたの生え際には、脂を分泌するマイボーム腺という器官があります。このマイボーム腺がなんらかの原因で詰まってしまうのが霰粒腫の原因で、中にコロコロとしたしこりができます。

基本的に、しこりができているだけで痛みはありません。時間の経過で自然に吸収されて小さくなっていくこともありますが、しこりが大きいなど気になるようであれば、しこりを取り出す手術を行う場合もあります。

細菌感染を起こした場合など、炎症・腫れが強くなり赤みや痛みが出ることもあります。その場合、まずは抗生物質の目薬・飲み薬などで炎症を抑える治療が行われます。

まぶたの症状

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)

麦粒腫では、まつげの生え際や汗を出す腺、マイボーム腺に細菌が感染することで炎症が起こり、化膿や腫れ・痛みなどが生じます。

霰粒腫は基本的には痛みがないのに対して、麦粒腫は痛みがみられるのが特徴です。ただ、霰粒腫で急性の炎症がおこった場合は、麦粒腫と症状がとてもよく似ています。

涙嚢炎(るいのうえん)

鼻へと流れる涙の通り道が何らかの原因で詰まり、涙を溜める涙嚢の中で細菌が繁殖し、炎症をおこす病気です。

涙や膿・痛みなどの症状があり、炎症が強くなるとまぶた全体に腫れが起こります。

涙腺炎

涙を作っている涙腺が炎症を起こしている病気を涙腺炎といいます。涙腺は上まぶたの外側に位置しているため、涙腺に炎症がおこるとまぶたも腫れてきます。腫れや痛み、涙が少なくなるなどの症状があります。

自己免疫疾患で涙腺や唾液腺などに障害が現れることがあるので、涙腺炎が疑われる時は、目だけではなくその他唾液腺や全身の検査が行われる場合もあります。

まとめ

まぶたが腫れる原因は、上記のように様々です。むくみなどが原因の場合は短時間で自然とまぶたの腫れも改善されますが、まぶたの腫れがひどくなる・しこりがある・痛みがあるなど、他の症状が伴っている場合は目の病気が原因となっている可能性もあります。放置せず、早めに眼科を受診するようにしましょう。