食品アレルギーに関しての法律は、「食品表示法」で定められています。食品表示は、アレルギーに関する情報だけではなく、消費者が食品を選んで購入する際に、必要な情報をよりわかりやすく確認するためのものです。

近年、食品アレルギーを持つ人は、増加傾向にあるといわれており、アレルギーを現在持っていない人でも、突然アレルギー症状を発症することもあります。自分の身は自分で守らなくてはいけないのは言うまでもありませんが、アレルギー表示はややこしい書き方があったり、表示されないこともあるので注意が必要です。

安心できる食品を選んで購入できるように、アレルギー表示に関しての正しい知識を身に付けましょう。

目次

食品表示法とは?

食品表示法は、平成27年4月に施行された、比較的新しい法律です。食品衛生法・JAS法・健康増進法の3つの食品に関する法律の、食品表示に関する規定の部分が統合されて作られました。この法律によって、消費者だけではなく、事業者にとってもわかりやすいものとなり、国民の健康増進にも役立つと期待されています。ただし、5年間は移行期間ということで、新旧の表記が混在していることになるので、この点も覚えておきましょう。

食品アレルギーに関しては、特定原材料として7品目を義務表示、特定原材料に準ずるものとして20品目をできる限り表示するように勧められています。アレルギーの症状は人それぞれで、重症となる場合もあるので、正確な情報が必要となりますが、表記が複雑でわかりにくかったり、見落としてしまうというトラブルが起きることも考えられます。

気を付けたいアレルギー表示の決まり

一括表示について

アレルゲンは、原材料一つ一つに個別での表示が原則です。しかし、表示欄が小さいなどの理由がある場合は、枠の最後に一括して表示することが認められています。この場合、どの原材料にどのアレルゲンが含まれているのかということは確認できません。

省略について

アレルゲンを個別表示する場合、繰り返し出てくるアレルゲンに関しては、省略することができます。例えば、原材料に大豆を含むものが3つ使われている場合、(大豆)と表示されるのは最初の原材料のみの場合があるということになります。

代替表示と拡大表示

アレルゲンとなりやすい食品27品目は、名称が変わっても理解できる場合は、別の名称で表示されることもあります。例えば、卵→たまご、玉子、エッグのように表記も可能です。

さらに、原材料の名称や、代替表記を含んでいる場合は、拡大表記として、厚焼き玉子、ハムエッグのように表記が可能です。

海外製品との違い

食品表示の基準は、国際規格もあり、採用している国も多いようですが、全ての国で統一されているわけではありません。日本よりもより細かく、食品表示を行っている国もありますが、輸入して販売する際には、その表示を翻訳して、国内のラベルに作り直さなくてはなりません。このような過程で、翻訳ミスや見落としなどが生じてしまうという問題もあり、輸入品には特に気を付けなくてはならないでしょう。信頼できるメーカーやお店を選び、危険そうなものには手を出さないというのも、自分の身を守るためには必要です。

食品表示義務のないもの

レストランの食事-写真

近年は、食の安全性を配慮された動きが高まっており、外食メニューでもアレルゲン表示がされることが多くなりました。しかし実は、飲食店や、注文を受けて作られるお弁当、量り売りの惣菜、店内調理のパンなどには食品表示の義務がありません。

商品を見て、明らかにアレルゲンが含まれているものは避けることができますが、見た目だけではわかりにくいものや、添加物として含まれる場合もあるので、販売者に聞いてから購入するようにし、重大な事故を防ぎましょう。

まとめ

食品表示法が施行されたことによって、より安心して食品を選ぶことができるようになりましたが、まだまだルールは複雑で、わかりにくい部分もたくさんあります。購入する時は注意深く食品表示を見て、誤食が起こらないように心がけ、わからないことがある時は、販売者や保健所に問い合わせて確認するようにしましょう。