生理が来ない…けど妊娠の可能性はないし、なんで来ないんだろう…と不安な思いをしたことのある方は少なくないでしょう。妊娠以外でも周期的に来ていた生理が来なかったり、遅れたりすることはあります。ここでは、妊娠以外に考えられる生理が来ない理由や、病院を受診するタイミングなどについてお話ししたいと思います。

目次

生理が来ない理由

通常、生理はひと月に1回周期的にありますが、様々な原因によって生理が起こらないことがあります。今まで生理はあったのに、突然生理が来ない場合、真っ先に考えるのが妊娠かと思います。ですが、性交経験がない場合や、1か月以内に性行為がない場合には、どうして生理が来ないか不安に思うことでしょう。生理が来ない原因として下記が考えられます。

ストレス

ストレスはホルモンの分泌を司る脳の視床下部というところの機能障害を引き起こします。これによってホルモンの調整がうまくいかずホルモンバランスが悪くなり、生理が来なくなる場合があります。結婚や離婚、受験や新生活が始まったばかりの頃や、人間関係、夫婦関係などストレスとなる材料は沢山あります。自分が思っている以上にストレスを体が感じている場合もあります。

ダイエット、痩せすぎ、激しいスポーツ、肥満

体重が5kg以上あるいは10%以上の減少、体脂肪率が17%以下になると、生理が来なくなることが知られています(体重減少性無月経といいます)。また、ダイエットや運動などで体脂肪率が22%以下になってくると生理不順が起こりやすくなります日本産婦人科学会 HUMAN+女と男のディクショナリーより)。

逆に、肥満の場合にも生理が来なくなることがあります。肥満の場合、脂肪などから女性ホルモンが異常分泌されるため、ホルモンバランスが崩れることが知られています。痩せすぎも太り過ぎもどちらも生理に悪影響を及ぼすことを知っておきましょう。

多嚢胞性卵巣症候群

両側の卵巣が多数の未熟な卵胞(卵子の元)で嚢胞化し、生理が来なくなったり、生理周期に異常が出たりする病気です。この病気でよくあるのが無排卵周期症で、生理のような出血がある程度周期的に来るため、生理が来ているのかと思いきや、実は排卵がないため、生理ではない出血が起こっていただけだったということがあります。

早発閉経、早発卵巣機能不全

43歳未満の閉経で、卵子がなんらかの理由により枯渇し、治療をしても排卵ができない状態を早発閉経と言います。40歳未満でホルモンの状態が閉経と同じ状態になることを早発卵巣機能不全と言い、こちらは治療によって排卵、妊娠が可能な場合があります。いきなり閉経することはありませんが、徐々に卵巣機能が低下するため、生理周期が間延びしてきたり月経量が極端に少なくなってきたりした場合は注意が必要です。

甲状腺や脳(視床下部・下垂体など)の病気

甲状腺異常や脳になんらかの異常がある場合にもホルモンの調整がうまくいかず、生理が来なくなることがあります。

生理なようで生理じゃない無排卵周期症

無排卵
生理が来るには排卵することが必要になります。ところが、排卵がないのに生理のように規則的に出血を起こす場合があり、これは無排卵周期症と呼ばれます。未熟な状態の卵胞(卵子の元)から中途半端な量の女性ホルモンが分泌されるため、子宮内膜が維持できなかったり、子宮内膜に栄養を送る血管の増生が間に合わなかったりすることによって、排卵が無いのに生理のような出血が起こります。多嚢胞性卵巣症候群や、卵巣機能が未熟な思春期、卵巣機能が低下しつつある更年期に起こりやすい状態です。排卵が起きていない状態が長く続くと、不妊の原因にもなります。生理が来なくなることがよくある場合や、生理周期が毎回違う場合、生理期間が3日未満や8日以上といった不規則な場合などにはこの病気が疑われます。

病院を受診するタイミング

普段は周期が安定しているのに、たまたま1~2週間月経が遅れたといったケースでは様子をみても良いかもしれません。毎月月経周期が45日以上になる場合は念のため基礎体温で排卵を確認した方が安心です。3か月以上生理のない状態が続く場合は、続発性無月経という状態で様々な病気の可能性があるため、早めに婦人科を受診するようにしましょう。生理が来なかったり遅れたりすることが続いたり、そのようなことが時々ある場合にも、無排卵周期症や多嚢胞性卵巣症候群などの場合もありますのでこちらも受診するようにしましょう。

まとめ

生理が来ないことは、身体からの異常のサインです。なにか無理していないか、他にどんな不調を感じているのかを自分の状態を振り返る良い機会かもしれません。基礎体温をつけていれば、さらに自分の状態を知ることが簡単になりますので、月経不順傾向のある方は基礎体温を測る習慣をつけることをお勧めします。自分でできる健康管理を行いつつ、病院での検査でしか分からないこともあるので、できる限り婦人科を受診するようにしましょう。