スタイルを気にするあまり、無理なダイエットで過酷な食事制限などしていませんか?無理な食事制限をすると、必要な栄養素がうまく取れず、摂食障害が出てしまったり、貧血になることもあるのです。特に若い女性の場合、注意が必要です。

目次

普段の食事を見直して貧血予防を心がける

貧血にも様々な種類がありますが、この中で最も多いのが鉄欠乏性貧血です。

貧血は、血液中の赤血球や血色素(ヘモグロビン)が通常値より少なくなってしまうことで起こります。

血液は、酸素を身体の全般に運ぶという働きをしています。その役割を担っているのが赤血球に含まれるヘモグロビンです。このヘモグロビンは主に鉄を含む色素「ヘム」という色素とタンパク質「グロビン」が結合されてできています。これらを酸素と結合させ全身へと運んでいくのです。ですから体内に含まれる鉄が減少することによって、ヘモグロビンも減り酸素を運ぶ能力が低下し、運動機能の低下などを招いてしまいます。

そのため、めまいを起こしやすくなったり、疲れやすくなったり、また少しの運動でも息切れがしてしまったりといった症状がでてきてしまうのです。

鉄欠乏性貧血を防ぎ予防するためには、普段からしっかり鉄を含む必要な栄養素を摂取することが重要になってきます。

1日に必要な栄養素をしっかり摂取するために

食事

実は、赤血球には寿命があります。寿命は約120日です。毎日古くなった赤血球は、少しずつ壊され、そしてまた新しい赤血球が作り出されます。このような代謝により1日に約1mgの鉄が損失してしまいます。

また、月経のある女性の場合1日に約0.5mgの鉄が損失してしまうのです。

こうして失った鉄は、食事などから摂取する必要があります。

それでは、1日に必要な鉄は、どれくらいなのでしょうか?

食品に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。この2種類の大きな違いは体内への吸収率です。ヘム鉄の吸収率は10~20%であるのに対し、非ヘム鉄は2~5%です。

しかし、実際にはどちらかだけを食べるということはないのです。一緒に食べたものの影響も受けるため、食べた鉄の約15%程度が吸収されるとの報告があります。

成人の1日に補うと良いと推奨されている量は、男性であれば1日7.5mg、月経のある女性では、1日11mg、月経のない女性で1日6.5mgとされています。

詳しくは、「鉄分だけじゃない!貧血改善のための食事って?」をご覧ください。

鉄の吸収を助けてくれる栄養素をバランスよく摂る

バランスの良い食事

貧血に限らず、バランスの良い食事を摂ることは、私たちが健康で過ごすためには必要なことです。

毎日少しずつ失われる鉄を食事から摂ることが必要ですが、鉄の他にもタンパク質(ヘモグロビンの材料)と鉄の吸収を高めてくれるビタミンC、ビタミンB12、葉酸(ビタミンの一種)をバランスよく摂取することが大切です。

種類ごとに多い食品

タンパク質・鉄 牛肉・レバー・カツオなどの赤身魚・あさり
ビタミンC 緑黄色野菜・果物
ビタミンB12 レバー・魚介類・チーズ
葉酸 ほうれん草・アスパラガス・ブロッコリー・納豆

貧血を予防するためには、毎日の食事をバランスよく組み合わせて摂ることが必要になっていきます。

また、鉄は胃酸が分泌されると吸収がよくなります。

ですから、梅干しや酢など、胃酸が出やすい酸っぱいものを一緒に食べたり、よく噛んで食べることで、胃酸の分泌を促すことは、吸収率を高めると期待できます。

最後に

貧血は、疲れやすさだけでなく様々な体の不調を招きます。

疲れているなと感じたら、まずは食事を見直してみてはいかがでしょうか。無理な食事制限を行うのではなく、自分の健康を第一に考えてくださいね。